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2025-02-28

読んだ本(2025-#25):幸福について

[No.3666]

#25「幸福について 人生論」A・ショーペンハウアー

ドイツ哲学者の著作を、拙者が読むことになるとはあまり予想していませんでした。先日、書店でブラブラ過ごせる時間を楽しんでいる際に、青空と雲の表紙に目を奪われて、幸福に関するショーペンハウアーの考えが書かれていることに興味を持ちました。

厭世的な斜に構えた小難しいことを書いている、という偏見を持ってましたが、そもそも哲学に対しての偏見がまだ拙者にはあります。

そうです、哲学とは考え抜くことであり、考え抜いて論理的に言語化する、ただそれだけのことです。前提や条件を厳密に網羅的に書けば書くほど、読んで理解し辛くなり、わかりにくくて理屈っぽい、という印象を受けてしまいがちです。なるべくシンプルに抽象性の高い切り口から、話してもらえるとわかりやすいのに、と思います。

ショーペンハウアーは、幸せの根本規定を以下の3つとしています。

  1. 人のあり方:人柄、健康、力、美、道徳的性格、知性
  2. 人の有するもの:所有物
  3. 人の印象の与え方:人に対する他人の思惑、名誉と位階と名声

朗らかであること、陽気であることの重要性も説いています。また体の健康も説いており、運動の重要性も語っています。本人の絵の顔の表情を見ると、頑固なおじいさんですけど、実際には常識的な人なんだろうな、と感じました。

禅的な思考も感じます。

自分を俯瞰する、自分でコントロールできることに集中する反面、自分でコントロールできないことに心を揺さぶられないようにする、とこれまでお世話になった方々からの教えとも共通することも多いです。

マルクス・アウレリウス「自省録」を知った時、2000年前のローマ皇帝も、拙者と同じような事を考えたり、悩んでたりしていたんだ、と思ったのですが、今回も同じような感慨を覚えました。

心と体の健康を大事にして、座ってばかりではなく運動も楽しみ、我がままにならずに、誰かの何かのために考え抜いたを行動して、あまり他者の目や評判を気にし過ぎないように、楽観的に生きていこう、乱暴に要約すると、そんな印象が残りました。

素晴らしい哲学者が考察してくれた内容や結果が、拙者が感じていること、考えていることと共通することも多い、と思えるだけで嬉しいですし、本を読んだ甲斐がある、と思えます。

第4章「人の与える印象について」、第5章「訓話と金言」については読み飛ばしてしまった印象です。文字として読んだものの、あまり納得性がないというか、意図が汲み取れませんでした。第6章「年齢の差異」については、なるほど、な思いです。

幸せであるとは、不幸せなことがないこと、少ないこと、という定義から始まった話ですが、後期高齢者の父から聞く話、お世話になり続けている元上司からのアドバイスともつながりがあり、おまけにショーペンハウアーにも繋がりを感じることができました。

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