[No.4082]
#10「弊社は 買収されました」額賀 澪
自分の所属する組織や機関が統廃合されるのは、かなりのインパクトがあると思います。買収されたとなると、自分のポジションや待遇が大きく変わったり、無くなったりする可能性もあり、自分のこと、同僚のこと、気になることが多いとか、気にしていられないとかになるんだと思います。
何度かの転職経験で、会社の雰囲気、文化や社風と呼ばれる掴み所のない、しかし確かに無形的に存在する非言語的なForceはあると思っています。違うForceの組織が一つになるには、とても大変です。
前職の時、採用していただき長く上司としてもお世話になったM部長、定年前の朗らかで、言われて事をするのはつまらないし、仕事は自分で作るものだ、と叱咤激励していただきました。海外グループ会社と一緒に進めたいプロジェクトもどんどんやってみろ、骨は拾ってやる、という笑顔での謎の言葉もいただきました。
定年送別では、手間をかけさせてしまったメンバー5人の席ですが、ぜひお越しください、とお誘いしました。M部長のサプライズ送別ですのでぜひご参集ください、と周囲に声をかけて、結局50名くらいの飲み会になり、M部長がお店に到着して50名を見てびっくり、そして喜んでいただいた笑顔をよく憶えています。
笑い声の途切れない送別会で盛り上がりました。最後にM部長の挨拶をいただいたのですが、人員整理で自分の部門に肩叩きをしなければならなかったのが、とても辛かった、夜中にも電話がかかってきて、なんで自分が人員整理の対象にされるのでしょうか、と相談を受けても、何にもしてあげられなかったのは、無力だった、と涙を流されたことも忘れられません。
母を急に見送った後、休暇明けに会社で供花のお礼を伝えた時に、しっかり頑張れ、と背中をポンっと叩いていただいたM部長のことを、この本を読んで思い出しました。
そんなこともあり、人員整理なんて言葉は嫌いですし、今いるメンバーでどうすればチームのパフォーマンスが最大化するか、こそがマネージャーやリーダーの役割だと思っています。減らす、という選択肢は、この役割が果たせていない、と思います。