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2011-08-08

読んだ本(2011-#17):最悪

[No.1512]

#17「最悪」奥田英朗

鉄工所を営む40代の中年男性、
銀行の窓口で勤める20代の女性、
パチンコで時間とお金を浪費し犯罪にも少し手を染める20歳ぐらいの男性、
いずれにも拙者は該当しませんが、この3人が主要な登場人物です。

物語の中では、接点のない3人ですが、それぞれに悩みや苦しみも抱えて
日常生活を積み重ねています。毎日に生活の積み重ねを繰り返すうちに、
いつの間にか積み重ねた変哲もない毎日が悩みや苦しみ、変化を試みようとすると
強烈に効くブレーキになっているようです。

毎日楽しいことばかりではないことは、大人になると分かりましたが、
だからと言って、楽しく過ごす事を諦めたくないですし、
どうにかして、チャンスにつながるロープを手繰り寄せようとする気持ちは
失いたくないです。

タイトルは最悪なんですが、何か大きなトラブルが最悪な気分をもたらすだけでなく、
何の変哲もない日常の積み重ねが最悪を作り出す、とも思えました。
でもそんなに最悪なエンディングではない、どこか心地よい読後感です。

以前読んだ「ララピポ」にも似た好きな本だと思ったら、
どちらも奥田英朗作品でありました。

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