[No.2951]
#9「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」カレン・フェラン著
コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする、
がサブタイトルです。
単なるコンサル批判の本として読むのはもったいです。
マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院を修了後、
デロイトやジェミニという大手コンサルティングファームで勤め、
企業でもキャリアを積んできた著者の言葉だけあって
なかなか重みも実際も感じることができます。
コンサルのメソッドの意義だけでなく限界もあるわけですが、
専門用語の連発で、成功事例も織り交ぜてコンサルから聞くと、
確かに納得感は高くなるのは否めません。
実際に拙者もコンサルと呼ばれる方々と仕事をしていますが、
日頃なんとなく感じていたモヤモヤを
著者は実経験も踏まえて、直球で言ってくれています。
リーダーシップ、コアコンピタンスなど人材開発プログラムとして
聞いた時から??だったのですが、彼女のまとめは刺さります。
人事の評価システム、インセンティブや評価ラベルだけでは
モチベーションも上がらないこと、肌感覚では分かっていました。
企業のビジネス課題は、あくまでも企業の社員本人が解決すべきであり、
解決できるはずなのだ。もちろんコンサルの知恵や他社事例は参考になるものの、
どう取り組んで、どう解決するかをコンサルにお願いしようとする姿勢が
コンサルを活用した失敗事例になること、よく分かります。
KPI、PPM、BSC、いろんなメソッドがありますが、
ビジネスの場では、相関関係が語られる機会が多く、
相関関係がいつの間にか因果関係に置き換えられてしまうこともあるように思います。
部下のモチベーションを上げる方法を考えるには
部下といろいろ話してみることは必要だし、
売り上げを上げようと思えば、売る人や買ってほしいお客さんに聞いてみたり、
話してみたりする以外の近道はないはず。
そんな当たり前も、スマートな流行りのビジネスメソッドでは野暮ったい方法のように捉えられているようにも思っていましたが、この本を読んで自分のモヤモヤの解決方向性はクリアになりました。
批評家ではなく、実践家でなければ。
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