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2022-01-24

読んだ本(2022-#5): 本を守ろうとする猫

 

[No.2937]

#5「本を守ろうとする猫」夏川 草介

著者は信州大学医学部卒の医師、作家との二足のわらじというエピソードにまず驚きです。

古本屋を営む祖父と二人暮らしの不登校の高校生男子。急に祖父を見送ることになり、古本屋をたたんで叔母と住むように引越しの準備をしていて現れた、人間の言葉を話す猫。

猫に促されて、多読家の書棚から、図書館研究員の要約化から、出版ビジネスのトレンドや会社の事情から、本を守ろうとする冒険絵巻です。

本を読むことがどんなに人生を豊かにするか、を態度で示した祖父の背中を追うように、引きこもりの高校生が、世界から本を守るために、優れた著作が世に放たれて、いろんな人々の人生を豊かにするために静かに戦うのですが、高校生自身が戦っているという気負いはなく、ただ本を愛している、という静かで熱い気持ちです。

そんな婉曲的なストーリーでありながら、著者の猛烈な本への「愛」を感じて、一気読みでした。何がきっかけか、というわけでもなく、チビ子が図書室の書棚から借りてきた本です。一目で面白いと感じて、読んでみて面白くて、妻と拙者にススメてくれて、両親共々この本の素晴らしさと面白さに、激ハマりです。

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