[No.3950]
#64「ハヤブサ消防団」池井戸 潤
東京での作家生活から、亡き父の実家である田舎のハヤブサ地区に引っ越してきた作家。
消防団に入団し、地区の面々と知り合い、居酒屋で語り合うことも楽しみになった頃、立て続けに放火事件、殺人事件が起こります。人口1,000人ほどの地域でも、古くからの知り合いや付き合いのある家々でも、お互いの事情や昔の経緯など、知らない、話せないことも当然あるわけです。
田畑を買い取ってソーラーパネルを建築させようとする業者と、過疎高齢化の進む地域で田畑を維持できない世代。
新興宗教、古くからの家系の系譜、地元の政治勢力、緩くも温かい人のつながり、ソーラーパネル設置を推進する都会の企業、田畑を金銭化せざるを得ない者などのしがらみの中で、平穏な毎日に起こってしまった放火3件と殺人事件。
どこかでのんびりな物語と思い込んで読み始めましたが、どんどん急展開になり、予想しなかったことがわかり、いい感じでドキドキの一気読みでした。

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