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2025-11-11

読んだ本(2025-#94):古墳時代の歴史

[No.4031]

#94「古墳時代の歴史」松木 武彦

九州北部に朝鮮半島からの技術や技術者が来て、ヤマト政権の前の権威者や政権の大王や重臣などの、後世に威光や権力を伝えるモニュメントして古墳が築造され、ヤマト政権から地方に古墳築造が伝播し。。。

そんな感じで学校の歴史では習ったのですが、拙者は中学生の頃から、

  • 西暦300年頃からの350年間ぐらいで、どう伝播したか
  • 造営技術は、どのように継承されたのか
  • 弔う、未来に威光を示すだけで巨大な古墳を作るか
  • どのくらいの人員で作るか
  • 工期はどのくらいか
  • ヤマト政権の統治が全国に伝播したのか
そんな疑問を持っていたので、完全なる考古学の素人として古墳築造には興味を持っていました。文献検証、遺跡の年代測定の科学的検証、時代経過に沿った、各地の古墳や埋蔵物の関連や独自性などを、統合した古墳時代の始まりから終わりまでの研究考察。
わかりやすく、根拠も明示され、見解も述べられて、そして読んで面白い。素晴らしい研究成果に触れることが出来て嬉しい気持ちです。

しかし、松木武彦氏の絶筆であるのは、とても残念です。もっと早くから研究者松木氏のことを知っていれば、と悔やむばかり。
邪馬台国の場所、明言されていませんが、松木氏のお持ちの仮説を感じることもできた気がします。仁徳天皇陵と習った大山古墳に代表される百舌鳥古墳群のような環濠のある前方後円墳の由来が、尾張地方の灌漑技術からの影響を受けている、つまり東の地域から河内の百舌鳥古墳群に技術伝播があったという検証、とても納得感がありました。

筑紫、出雲、吉備、武蔵などに築造されている古墳のそれぞれの経緯、出土した埋蔵品の内容の考察、伝承を歴史的事実と安易に置き換えない科学者としての矜持も勝手に感じて、興奮しました。松木氏の研究書籍、もっと読んでみようと思います。

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