[No.4053]
#102「じゅうぶん豊かで、貧しい社会」ロバート・スキデルスキー&エドワード・スキデルスキー、村井 章子 訳
尊敬するお方が読了した、という投稿を見まして、真似っこして読んでみました。読み始めて、猛烈に自分の学生時代を後悔しました。もっと経済学史を読んだり、勉強しておけばよかった。おまけに親切で優しい先輩は、経済学史を専攻されていたのに、拙者には禅問答のように聞こえた話が、何と価値のある話だったんだろうと、遅過ぎる後悔であります。
西洋の経済学において、人間の心理を経済活動から切り離した経緯も、垣間見ることができました。カルブレイズなどの著作が、当時の経済学者に非難された背景も知ることができました。
経済学的には、労働の対価として財を得るに必要な賃金を得る、以上の意義を包含しないことからも、経済学的に社会における人間の研究の成果が、そもそも限定的であるという想いを強くしました。
「豊かさ」や「良き生活」や「十分な」という概念は、1人の人間にとっては根源的で一瞬一瞬持ち続けている概念ですが、言語化することも、汎用的に定義にすることも難しいわけですが、社会でどう生きるか、社会をどうしたか、を論じるためには、必須です。
7つの基本的価値
- 健康
- 安定
- 尊敬
- 人格または自己の確立
- 自然との調和
- 友情
- 余暇
幸いに、日々の食事や安全に怯えることがない拙者の日常は、「良き生活」と思えます。豊かであるか、十分であるか、は言語化が難しいですが、拙者は仮説を持っていますし、この本を読んで、拙者の仮説もなかなかいいな、と思えています。
経済学では「豊かさ」や「良き生活」や「十分な」は説明できないし、論じることもきわめて限定的な意味しかない、とも思えますが、気づきが多く、拙者ではまとめきれません。
読みやすい翻訳だな、と思って読み始めたのですが、やはり村井章子さんの訳でした。拙者、村井訳のファンです。

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