[No.4140]
#35「人間そっくり」安部 公房
教科書とか現代国語の試験問題で何度か読んだことはありますが、自分で初めて全部読んだ安部公房作品です。
主人公は、自宅で仕事をするラジオの脚本家。尋ねてきたのは地球人のように見える男性でありながら、火星から来たと言う火星の分譲地を販売する営業マン。
地球人そっくりに見える火星人、自分を火星人と言うものの確たる証拠はなく、しかし火星人ではないという論拠もなく、と口論をするうちに、もしかしたら、火星人かも、自分さえも地球人ではなく、、、と自分の判断が混濁する主人公。
自分が地球人であることは当たり前すぎる事実ですが、当たり前すぎる事実ほど、合理的に根拠を持って説明することが難しいことに気がつきます。その説明の難しさに揚げ足を取られるうちに、当たり前すぎる事実を自分が疑うような心理状況にもなっていく、そんなこわさを感じます。
テレビ、新聞やWEBのニュース、何が事実で、何が根拠か、自分で考えて判断しないと、自分が地球人なのか、火星人なのか、自分でも自信が持てなくなるのかもしれません。
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