[No.2812]
#9「ナオミとカナコ」奥田英朗
こんなやついなくなればいいのに、
なんてひどい事ですけど、
感情としては生まれてしまうこともあります。
まあどんな人にも、親があり、家族もあるでしょうし、
その人にも、そうなっている事情もあるわけです。
誰からもそっぽを向かれる、賛同してもらえない極悪人なんて
実はいないのかもしれません。
この作品では、エリート銀行員の夫が実はDVな夫であり、
困りかねている友人が妻と共謀して、DV夫を殺してしまおうとする話。
親友の困っている状況を知れば、何とかしてあげたいと思いますが、
殺人ではない方法はなかったのか? という素直な疑問はとりあえずおいといて。
この現代で、完全犯罪を成立させるのは、素人が考えるよりも難しいな、
という気持ちを強くしました。
街の至るところに防犯カメラはあるし、
あらゆる建物の内部にも、何がしかの防犯カメラはあるし、
高速道路の乗り降り、携帯電話の通信記録とGPSデータは
途切れなく取得されていますし。
防犯や捜査には有用であるとしても、
いつも、あらゆる方法で自分がデータ化している、
ということにあらためて驚きました。
さて、この本の結末ですが、
ハッピーエンド? バッドエンド? あれはどっちだろう?
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