[No.3189]
#13「私をくいとめて」 綿矢りさ
日頃は、ビジネス書や経済関連の書籍を読むことが多いですが
先日は読んだことのない女性作家の小説を買いまくりました。
チビ子と一緒に本屋さんの棚を見ていて、
チビ子が読めそうか、とか素敵な装丁やタイトルの本を手にするうちに
どんどんカートに入れていくうちに、7冊買ってしまったうちの1冊です。
30歳代独身女性の気持ちは、想像してもなかなか分からないし、
拙者の人生では体感できないでしょうが、
小説を楽しむ素晴らしさのひとつ、
自分が体験できない、自分とは異なる誰かの人生を疑似体験し、
様々な環境での思いを体験できます。
若くして受賞の多い女性作家、
初めて著作を読みましたが、一見平易な語彙での叙述でありながら、
無駄のない、隙のない的確な言葉や情景描写でもあり、
しかし、窮屈な読書感ではなく、リラックスできる、そんな印象を持ちました。
悩んだり、迷ったりした時に、話しかけたり相談する相手A。
自分の内なる人格であるAとの対話で落ちついて判断もする主人公です。
拙者も、自分自身で考えても悩んでしまった時に、
ばあちゃんやオフクロだったらなんて言うだろう、
と思いを馳せることもおおく、似ているな、と思いました。
平々凡々と過ぎる日常で、起伏のない平穏な日々のようでも、
みんな内なる迷いや悩みを抱えながら、進んでいる、生きていると思うと、
憎悪や嫌悪の感情を抑えて、お互いさま、とやさしく生きていける気がしました。
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