[No. 3007]
#27「スイート・ホーム」原田マハ
チビ子のお気に入りの作家の一人でもある原田マハさんの作品を、チビ子が見つけて買って、アッという間に読み終えてしまいました。
拙者もこれまで何冊か読んでいますが、ページ数に反して、ぐいぐいと読み進み終わる、そんな印象です。
スイート・ホームという洋菓子屋を中心に、看板娘その1、その2、その3、常連のお客さんその1、その2、その3が主人公となる短編集です。
拙者も大好きな関西の私鉄沿線が物語の舞台であることだけでなく、帰宅してワイワイしていてホッとできる洋菓子屋であり実家のことを想像すると、勝手に登場人物の表情や葛藤に、想いを馳せてしまいます。
誰かが誰かを気遣い、優しく見守り、応援してあげて、喜びを共有し、悲しみを受け止めてあげる、そんな人と人のつながりがある生活や家族って、やっぱり素晴らしいです。家族の仲がいいということも大事ですし、家族がコミュニティの中でどのような存在として受け止められているか、も大事です。昔の田舎の生活とは違い、隣人、同僚、学校の友人などとの関係性は変化しています。知り合うきっかけも、お付き合いの方法や内容も。
コロナ禍で大勢との濃厚な接触する機会が制限されるからこそ、感じます。人間とは社会的動物で、他者と触れることによって、自分を知り、存在の承認を得ることで、存在する意味を感じることが出来ること。また他者の役に立つ、助けてあげることで、自分が価値ある者であることを実感できることを。
マスクをした生活がいつまで続くか、ワイワイと大勢で乾杯できる日がいつなのか、分かりません。今できる方法や機会を活用して、どうやって他者とよく理解できるようにするか、そんな事を感じながら、この本を読みました。
スイート・ホームのパティシエと奥さんとキンモクセイが、この本の登場人物のつながりのカギになっていると思います。我が家では何がカギになるかな。
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