[No.3199]
#14「ラストレシピ」田中 経一
孤児養護施設で育った主人公は、料理人として一人立ちしたものの、お店の経営はうまくいかず。お店を畳み、「最期の料理人」として、食べたいと希望されるすべてのメニューを作る、今はないメニューも復活させることが出来る、「麒麟の舌を持つ」料理人です。
天皇陛下の台所に務めた料理人が、満州国に赴任し、満漢全席を超える「大日本帝国食菜全席」を考案するように指示された第二次世界大戦の時代と、「大日本帝国食菜全席」のレシピを探し出そうとする現代の話を並行して読み進めます。
主人公と一緒に「大日本帝国食菜全席」のレシピづくりをしていた中国人Y氏も90歳を超える高齢、主人公のレシピを探してほしいと依頼します。
主人公の娘Sは、父はYに殺されたと思っていて、レシピの一部を何者かに追われてきた生活。SはYを憎み、恨み、主人公はYとSの両方から試されて、レシピを探すうちに、レシピに隠された戦争時の陰謀、そして主人公たちの人間模様に、驚きの結末です。
グルメミステリーの本を探したい、というチビ子と共に本屋さんで探したうちの一冊です。チビ子がこれは面白いからすぐに読んで、と言ってくれただけはあります。一気読みです。
最後の最後に、そんな展開だったんだ、という嬉しい気持ちになれるのもいい作品と感じる一つの理由だと思います。
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