[No.3260]
大学に入学してから、学籍番号が近いこともあって、一番最初に友達となり、卒業後四半世紀が過ぎても、会えば相変わらず学生時代のおバカな出来事を話して笑い合っていました。
やさしいので、人への気遣いが溢れていました。思い出すだけで、2回は救われています。
1回目は学生時代に、扁桃腺を腫らして高熱でアパートで寝込んでいた時のこと。3日くらい寝込み、食べるものもないけど、何か食べないと回復しない、という状況でした。のどが痛いので、何か食べる気にもならないのです。100メートル歩けば近所の商店もありますが、行く気もなれず。トイレに行こうとベットから出てキッチンに向かうと、タッパーが置いてありました。中にはおでんが入っていて、どうやらキッチン横の窓がカギしていなくて、彼がそっと置いてくれたようでした。そのおでんの美味しかったこと。電子レンジを持っていないからチンすることもなく、そのまま食べましたけど、その後回復したので、あのおでんで元気になれた、と今でも思っています。
2回目は就職して3か月?くらい経った頃、志望した業界でもないし、職種でもない就職でしたが、経済的にも自立して、社会人経験を積むことが大事と決意した就職でした。慣れない仕事や環境、行先の見えない毎日で、気持ちが凹んでいました。金曜日、いつもより早めに帰宅して、ササっと荷物作って、福井か金沢にでも電車に乗って行こうと帰宅しました。スーツを脱いで、どうやって荷物を作ろうかとしていたところ、急にマンションの部屋にピンポーンと鳴りました。急いでドアの穴を覗くと、彼がドアの前に立っているのです。えっ、君は500kmくらい離れた自宅に住んでいるでしょ? 今日は平日の夕方だけど、なんで君が俺の部屋に来てるの?と聞いたら、休みが取れたからクルマで来てみた、ですって。
おいおい、拙者がまだ帰ってなかったらどうするの?出張行ってたかもしれないし、事前にメールや電話もしていればいいけど、本当に急に突然でした。
近所に飲みに出て、狭い部屋でワーワー話して寝て、起きて翌日クルマで東急ハンズに行って、欲しかったソファーを買って、クルマに乗せてマンション4階まで二人で運んで、夕方クルマに乗って帰り道になる前にラーメン屋で晩御飯食べて、彼は帰途のドライブです。ラーメン屋の近くの駅で電車に乗って私は帰宅。凹んでいた気持ちは一気に解消していました。
ここ数年、彼は闘病で入退院の繰り返し。人への気遣いはすごい繊細なのに、自分のこととなるとあまり頓着なくなったり、拙者達には、あーしたらいい、こーしたらダメ、と言ってくれるのに、拙者達のアドバイスには、頑固になかなか聞いてくれない、のも分かっていましたけど、心と体の健康のために、もっと口うるさく言っておけばよかった、と他の友人たちとも、昨日話したところです。
まだまだ若いおっさんなのに、そんなに急いで向こうに行かないでもいいでしょ?
久しぶりに、君のお父さんと妹さんと会って話したよ。わざわざ遠くから来ていただいてありがとうございます、と言ってもらいましたが、そりゃ何とかして行きますよ、君が拙者を救ってくれたのと違って、もう君を救ってあげられないけどね。
最近の仕事のこと、こっちの都会の生活の様子、今の仕事のこと、君がへーっと驚く様子が目に浮かびます。
もう痛みや不安と戦わないでもいいから、のんびりと好きな音楽を楽しみ、キャンプを楽しむように、海や山や川の自然を堪能してください。
我々友人や、君の家族のことを応援していて欲しいです。また話したいけど、そちらにはなかなか行きません。君への意地として、心と体の健康に留意して、楽しく豊かに長く人生をエンジョイしてみせます。
空港に迎えに来てくれて会葬会場から、帰りの空港まで送ってくれた友人と食べた、遅めのランチの味噌ラーメン。おいしかったです。国道沿いの小さなお店でした。彼が救ってくれた突然訪問の時のラーメンを思い出していました。
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