[No.3263]
「モダンタイムス」(上)(下)伊坂 幸太郎
嗚呼、いろんな伏線があって、途中で読むのを止めて、読み直すと伏線が分からなくなるから、またちょっと前を読み直したりする必要があるのに、拙者は伊坂幸太郎作品を読むのが、とても好きなんだな、面倒くさいけど、という気持ちを再確認しました。
自分のいろんな行動(物理的な移動、誰かとの通話、WEBサイトの閲覧や購入履歴など)が監視されていたとすると、そりゃこの主人公のように浮気も発覚しやすくなるでしょう。
情報化が進み、情報を取得されるばかりでなく、操作をされた情報を事実と信じ込まされる、という事態になることも可能性としてはあります。
「アリはえらくないけど、コロニー(アリの巣)は賢い」というセリフが何度か出てきます。一つ一つは単調な行動をとる存在であっても、全体としては、半ば高い視点や大きな存在にコントロールされている機能のようなものが見える、と示唆するものです。
まさか、我々の生活する社会もそんなアリとコロニーのような関係があるのだとすると、と感じながらこの作品を読むと、面白いですし、少しこわいような気もします。
何かの勢力に監視されたり、何かの勢力に都合がよくないことはなかったことにされたり、拘束されたりなんて、嫌ですが、もしかしたらそんなことも実際に起こっているのではないかとも思えてきます。
陰謀論とか秘密結社とかにも興味がありますね、拙者は。
入手してまだ読んでいない伊坂幸太郎作品が、今手元に3つあります。読書が面白い、と思えるのは嬉しいですし、読みたいなと思える本があるのは楽しいです。
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