#26「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話」済東 鉄腸
拙者がこれまで読んだ本で、最もタイトルが長く、そして最も軽快で軽薄な語り口で、最も熱い魂を感じさせてくれる本です。
ルーマニア語の小説家と聞けば、語学や文化の造詣の深いインテリの人、と勝手にイメージしてしまうのは拙者の至らないからですが、行ったことも、習ったこともないルーマニアを知ろうとする思いや、やってみた挑戦は、「やり抜く」からこそ実現したのだ、と気づかせてくれます。才能やコネが無くても、何とかするガッツを持つ、が拙者の信条だったりするのですが、体現してくれる方がいたことを、とても嬉しく思います。
facebookやインスタグラムで友達になる、ルーマニア語に詳しいサイトを利用する、ルーマニア語↔︎英語、ルーマニア語↔︎日本語、英語↔︎ルーマニア語の翻訳をインターネットで調べる、ルーマニア出版界の人と知り合いになる、確かにやってみれば道が開そうですが、実際にやり抜いた著者は、やはりすごいです。
ルーマニアのこと、あまりにも拙者は知りませんでした、言語としてとても少数派であることから、出版のマーケットしてもルーマニア語は小さいものの、そこにはやはり熱い議論や、意義ある歴史があることも少し理解できました。
意志あるところに道が開ける、拙者が信じたいと思っているモットーを、実践して成果を出した人、それもエリートどころか、少し卑屈で劣等感もあり、病気とも戦う引きこもりの若者が道を開いたと知り、尊敬し、拙者自身も鼓舞できております。ありがとうございます。一気読みでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿