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2024-06-12

読んだ本(2024-#46):なぜ働いていると本が読めなくなるのか

[No.3465]

#46「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」三宅 香帆

拙者は、ここ10年くらいで、ようやく本を読むことが楽しいと思えるようになりましたし、ビジネス書だけでなく、小説、エッセイ、専門的な分野の本とかも読むことが多くなりました。

著者は、本を読むことの有用性や有意義であることを主張されるのだと思って読み始めたのですが、いうならば著者は、ワークライフバランスの重要性を、読書に充てる時間や意義を根拠の一つとして、合理的に説明してくれていると感じました。

明治、大正、戦前や戦後、高度経済成長期やバブル崩壊後における読書の娯楽性、教養としての捉え方、学歴主義への庶民的対抗措置としての読書、などの歴史的経緯と、労働環境や労働時間の推移を連動させて説明されていて、納得感がありました。

  • 情報=知りたいこと
  • 知識=ノイズ+知りたいこと
知りたいことを最短時間で入手し、最小の労力で最大の効果をあげようとするのは、資本主義の否定できない特性だというのも納得です。
豊かな人生、という軸で考えると、情報よりも知識の方が豊かさにつながるような気がします。拙者の身近な例では、オンライン書店で本を探すよりも、実際の書店をぶらぶらする方が、楽しいし、予想外の嬉しい本の出会いもあるし、いい本を楽しむ豊かさです。

全身全霊をやめる、という提案には強く同感です。仕事で成果を出すために、長時間働いたり、仕事のスキルを上げるために資格勉強するのも悪くはないですが、仕事とは直接関係のない知識や経験、自分の幅を広げることが、長期的には豊かだし、仕事の成果も上がるような気がするのです。急がば回れ、ですね。

半身社会というキーワードにも共感します。仕事だけでなく、家族との時間、趣味や何かに貢献する時間と、自分のチャネルを複数持つことが、豊かな人生につながるという仮説を持つ拙者は、共感できます。

何か明確な目的を持たないで、ただ読書する、でいいのだと思います。最小の労力で最大の効果をあげるのは、短期的な視点で成立します。仕事も人生も長期的に捉えた方がいいのは、言うまでもないです。

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