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2025-03-17

読んだ本(2025-#31):日本人とユダヤ人


[No.3872]

#31「日本人とユダヤ人」山本 七平

姫塚古墳から出土した埴輪が、トンガリ帽子でヒゲの男性を模したと観られることから、ユダヤ人と古墳時代の古代に興味のある拙者は、この本を日本人とユダヤ人の共通性やつながりを著した本だと思っていました。

より述べられているのは、日本人とは、という日本人論でした。今から40年も前に出された本で、当初はイザヤ・ベンダサンという日本に詳しいユダヤ人に扮した山本氏の著作だったことも、最近知りました。

旧約聖書、新約聖書の内容、書かれたとされる経緯やその時々の歴史的事実などを、丁寧に自分で探ることで、わかることがあります。誰かの見解を鵜呑みにするだけではなく、自分で確かめることは、何についても大事な基本姿勢だと思います。

アダム・スミス解説本アダム・スミス著「道徳感情論」を読んだ時にも感じたのですが、自分で読んで考えてみることで、ようやく自分なりの意見や視座が出来てきます。異なる歴史や文化を持ついろんな国の人とコミュニケーションをするには、自分で持っている伝聞の情報だけでなく、可能な限りオリジナルの情報を当たったり、一方からではなく他方の立場からの見解を知ることも重要です。

日本人が神仏を精神的にどのように取り込んできたか、ユダヤにおける神、キリスト教における神の子イエスを旧約聖書や新約聖書の成り立ち、エジプト王朝、ギリシャやローマ帝国、フビライ帝国の勢力と合わせて見ることで、拙者も少しは日本人の宗教観、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通性や相違も少し理解できたような気がします。

内容が広くて深いので、拙者のつぶやきで要約することもできません。ちょっとだけですが、驚きの一つは、日本の世界の国々の歴史と比較した時の特殊性です。

朝廷と幕府が同時に役割を持ち続けた、天皇と将軍が二権分立を鎌倉時代から大政奉還まで約700年間も維持し続けた国、他国の侵略によって統治権を奪われたことがない国、これが日本の特殊性です。その特殊性に関連した宗教観、コミュニティ、精神性との関連で述べられた多くのことは、大人のインテリジェンスと感じました。

うーん、いい感じでまとまりませんが、読んでよかったです。

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