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2014-11-13

読んだ本(2014-#22):アダム・スミス ぼくらはいかに働き、いかに生きるべきか

[No.2350]

#22「アダム・スミス  ぼくらはいかに働き、いかに生きるべきか」木暮太一

持つべきは友


まずはこの本を読み始めて思ったことです。

最近の拙者のことを案じた友人が紹介してくれた本です。
3ページくらい読んだ時に、
なぜ友人がこの本を紹介してくれたのか分かったような気がして、
その事からいろいろ考えると、何とも嬉しい気持ちになったのでした。
そして気持ちが軽くなって、前に進める気持ちになれました。


アダム・スミスは経済学の父とも呼ばれ、
中でも市場原理に関する金言として「見えざる手」があるとされています。
各個人が利益を追求することが社会全体の利益となる望ましい状況が
「見えざる手」によってもたらされる、需要と供給の調整を説いた、
とされていると社会の授業でも憶えました。

利己的な利益の追求や富裕層の是認の代名詞であるかのように
引用される国富論の「見えざる手」という言葉ですが、
アダム・スミスが論じた視点や目的は、まったく異なるものだ、と分かりました。

世の中には、賢人と軽薄な人の2種類がいる、としています。
賢人は、社会の常識や道徳をもとに倫理的にも正しい判断をする
自分の中の裁判官に耳を傾けて行動できる人、とされています。
軽薄な人は、社会からの評判や単純な欲望で自分の行動を決める人、とされています。

賢人として生きるべきであるが、
社会経済の発展は、軽薄な人の行動によってもたらされる影響が大きい。
富の格差は生じるが、総じて貧困層にも富がより分配されることによって
貧困層を救済することが可能になるので、社会経済の発展を是認する、
というのが趣旨のようです。

スミスさんは、日々の生活にも窮する貧困層に富を分配したかったのです。
おまけに、スミスのさんの言っている富とは、日用品のことです。
当時のイギリスは重商主義とも呼ばれる金本位の貿易スタイルで国内で
生産した日用品などを輸出して、金を蓄えようとするから、
結局国内の貧困層に日用品が届くことはなく、生活に喘いでいる、
という実情があったようです。

書かれた内容を表面的に記憶しただけでは、スミスさんが言いたかったことは
まったく理解が出来ていません。
スミスさんの集大成は、むしろ国富論のベースでもある「道徳感情論」だそうです。
読んでみたくなりました。

なぜ友人がこの本を紹介してくれたのか分かったような気がしましたが、
その理由と思われることは、他の誰にも言わない内緒にしておきます。

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