[No.3932]
#56「夜のかくれんぼ」星 新一
もしかしたら、一冊丸ごと星新一作品を読むのは、かなり久しぶりな気がします。ショートショートでピリッと、チクっと無常、皮肉や人間の煩悩による何かのちょっとした掛け違いの悲哀、と盛りだくさんです。
人生の過去をやり直すためのタイムマシンとか、瞬間移動するテレポーテーション、神様や妖精などが、日常生活に突然出てくる描写は、そんなことがあればどうなるだろう、と空想を掻き立てて、ついつい読み進みます。
人間の浅はかさ、他人のせいにしがちな甘さ、怠けたくなる気持ちなどが、ショートショートの中ではトラブルや、取り返しのつかない事態の原因になっていることが多いような気がします。
また、報道、教育や政治を疑うこともなく、そのまま受け入れてしまうことの無知や愚かさへの怒りも感じます。また他の星新一作品を読んでみようと思います。

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