[No.1461]
#8「フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン
無料の商品やサービスによる販売戦略や営業活動の効果や誤解について、
特にインターネットやデジタルでのビジネスについて示唆に富んでいました。
iTuneから無料でダウンロードして読みました、フリーです、はい。
一般的な経済学理論、特に学生時代に講義で見聞きするレベルにおいては、
需要と供給であったり、価格決定であったりしますが、価格ゼロの商品を
販売し利益を上げる、という事態は想定されていないように思います。
学問の領域というよりも、マーケティングやビジネスの領域においては
とても理に適っている内容です。
著者は「ロングテールの法則」の考案者であります。
多くを売ることではなく、
マイナーな存在だけど買ってくれる少数派を無視しない、のであります。
拙者が読みながら考えた事ですが、
・多くの人が購入する商品と、利益の上がる商品は異なる
→ 販売数や販売額が重要なのではなく、利益が重要
・いい物にお金は払う喜びよりも、無料なのに素晴らしい、方が感動する
→ ビジネスは経済学より、心理学や気分が無視できない
・損益分岐分析では、本来の利益予測は見えない
→ (初歩の)損益分岐分析は、作った分売れる、という前提なので限界あり
見てもらう → 興味や関心を持ってもらう → 理解を深める → 買ってもらう →
→ 何度も購入してもらう → 知人にオススメしてもらう ・・・
以前広告の仕事をしていた時に、先輩や上司から教えてもらった顧客育成プロセスって
こんな感じだったような気がしますが、
フリーなビジネスでは、
タダで使ってもらう → 気に入ったら買ってもらう → オンラインで紹介してもらう
従来の顧客育成プロセスを
友人にお願いして紹介してもらった女の子にメールして、何度かメールして
デートの約束を取り付けて、会って、デートを何度かして、交際を始めて、
友人にも彼女ができた、と報告し、家族にもそのうち話すうちに、
彼女の実家に遊びに行って、ゴハンをご馳走になったりして距離を縮めて、
彼女にプロポーズして「Yes」の返事をもらい、彼女の実家に結婚したいと
挨拶に行き、その1年後に結婚する、
という3年のストーリーとすると、
フリーな顧客育成プロセスは、
冬山で遭難し、偶然出会った男女が、お互いを必要とし、助け合って何とか生還。
信頼感と愛情が急速に育まれれて、生還後のお礼の食事会の後プロポーズして、
いきなりキスし、結婚決定という1ヶ月のストーリー
あるいは、
あんな人、生還後には会いたくない、となる1週間のストーリー
のように思います。
インターネットやデジタルのビジネス、やはりなかなか面白いですなぁ。
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