[No.3196]
#17「青空娘」源氏 鶏太
チビ子と書店を散策していて、
小川洋子「海」のそばに、
青”空”娘があり、
今拙者の心情として
海や空を欲しているからか、
本を手に取ると、
なんとも爽やかな本表紙のイラストです。
カンバラクニエさんの作品だそうです。
薄手のワンピースを着て、
バレエの振りを楽しむ
チビ子の雰囲気と似ている、と感じたのも
この本を読むに至った理由の一つと思います。
著者の写真を拝見すると、
バリバリの昔のサラリーマンに見えます。
実際、源氏鶏太氏は
サラリーマン作家でスタートしたこと、
直木賞を受賞し、選考委員にもなったこと、
この作品が1957年のものであることを知りました。
腹違いの兄弟姉妹の存在を知った後、
苦労や継母からの不条理な扱いにも負けず、
快活にガッツ溢れる娘の奮闘記。
あまりにもスピーディにドラマティックですが、
流行小説を日常の楽しみにしてい他であろう当時のみなさんの生活にも
思いを馳せながら読みました。
満州からの引き上げ、急速に進む経済復興などの世相は、
拙者たちの想像を超えた生活の変化だったんだろうと思います。
コロナの外出自粛、当時の苦労に比べれば、なんてことない、
と自分を励ませるような気もします。
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