#7「翔ぶ少女」原田マハ
表紙にはサモトラケのニケ像、一緒に本屋さんに行っていたチビ子は、拙者のニケ好きを知っているので、読んだらいいんじゃない?好きな原田マハさんの本だよ、と推薦してくれました。
本の後ろのダイジェスト紹介文を見たら、少し読まないでおこうと思って、チビ子に薦められた時には買うのをやめました。阪神淡路大震災で、目の前で両親を亡くした3人兄妹、真ん中の女の子丹華(ニケ)が主人公なんです。拙者の急に母を事故で見送った経験がよみがえってしまい、気持ちがザワザワしてしまったのです。それでもしばらくして読んでみたんです。
この3人兄妹、仮設住宅での生活や震災後のケガの後遺症も、養子として引き取った医師との愛情あふれる毎日で、悲しみに取り憑かれてしまうだけでなく、元気に前を向いています。
拙者自身の経験でしかないですが、悲しみは薄らぐことはなく、忘れることはなく、不意に悲しみに引きづられる気持ちになることもあります。それを我慢することもできず、我慢しようとすると、気持ちが疲れたり、イライラしたりしました。しんどい時は休憩して、少し元気出たら、また少しでも前を家を目指してコツコツと、の繰り返しでした。
そのうち、楽しいことも増えたり、亡くした現実を受け止めて、母のことを想ってガッツも出せるようになりました。しんどさや悲しみを、受け止めて、また立ち上がることができてよかったです。家族や、友人知人、いろんな人のおかげです。
この3人兄弟の将来が楽しみです。お兄ちゃんはシェフを目指し、ニケは医学部への進学を目指しています。悲しみを受け止めて、なにくそ、とガッツを出せば、自分の目指すものを掴めたり、亡くなった家族も喜んでくれるだろうから、と頑張る気持ちは、拙者も同じです。諦めなければ、何とか道は開ける、と。
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