[No.3268]
#36「フーガはユーガ」伊坂 幸太郎
勢いがついて伊坂幸太郎作品を仕入れているので、グングン読んでいます。今回も一気読みでした。
双子の兄弟、風我と優我の物語です。父親に虐待され、母親には突然逃げられてしまうなど、なんで子供がこんな理不尽な苦労や悲しみを味わなければならないだろうか、という境遇です。拙者も親となってから、このような子供の逆境や苦労のことを聞くと、大人として申し訳ないような、でも何ともしてあげられないような、無力感を覚えます。
伊坂幸太郎作品には、そのような理不尽や不合理な悲しみと向き合っている登場人物もよく出てきます。ありそうだけど、なかなか表立ってこない、悲しみや苦しみに目を向かわせたいのか、と思ったりします。
風我と優我には、一年に一度、誕生日にテレポーテーションで入れ替われるという特殊能力があります。このテレポーテーション能力を理不尽や不合理な悲しみに、大事な人を守る為に、救えなかった者の為に使う物語です。
読み始めに想像した物語の流れや結末と、実際に読んでわかった物語の流れと結末が、拙者の場合まったく合致しませんでした。読後の想いとしては、読んで面白かった、これはハッピーエンドなのか、そうじゃないのか、どっちだろう、でした。
自分が守りたい人を守る、自分が守りたい人を幸せにする、笑顔の多い人生をおくってもらえるように頑張ることこそ、生きる目的だな、と思いを強くしました。
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