[No.3278]
#39「アイネクライネナハトムジーク」伊坂 幸太郎
最近は、伊坂幸太郎作品をこんなに続けて読まない方がいいんだろうな、と思いながらも、結局次々と入手し、デスク横に積み、隙あらば読んでおります。
この本も、帰省の飛行機の中、帰省中の寝る前の時間で一気読みでした。
街頭でアンケートを依頼する男が目にした、該当ビジョンで映されている日本人のヘビー級挑戦者の試合を、握りこぶしをしながら見つめる女性。
美容院で働いている女性の、馴染みのお客さん。弟と電話してみて、と言われたものの、電話でしか話したことがない男性と、交際するわけでもなく時々の電話を楽しみにするものの、何を仕事にしているか知らず、時々数か月電話もかけてくれなくなる、そんな間柄。
公園でいじめられていた男の子、助けてあげたけどぶっきらぼうに分かれたまま。十年後にまさかチャンピオンに挑戦する試合のダウンされそうな寸前で出会うとは。
そんな途切れ途切れの人と人が、まさかこんな繋がりをもっているとは、と少しほっこりする作風は流石、拙者のお気に入りなところであります。
今回帰省し、祖母、母、伯母など虹の橋を渡ったみなさんが築いてくれた御縁や想いを感じる機会が多かったです。直接はつながっていなくても、遠く離れていても、優しい思いや、温かい気持ちは時間や距離を超えてつなげてくれるんだな、と、この本を読んで感じて、感じて読んで、そんないい読書になりました。
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