[No.3400]
#16「カフーを待ちわびて」原田 マハ
原田マハ作品も大好きな本の一つです。この作品が小説家デビュー作だそうです。素晴らしい作家さんに対して大変恐縮ですが、拙者がとても読み心地がいいと感じる作家のお一人です。まあ、拙者の読み心地なんて、他のみなさんにはどうでもいいことですが、読み心地の良さは、とても大事です。
沖縄の島で雑貨商を営み、裏手に霊能のある血縁のないおばあと近くに住み、幼いころに母が出ていったまま、カフーという名前の犬と同居です。雑貨商を営む主人公。おばあの言葉を受けて、参拝した神社の絵馬に、嫁に来ないか、と書いたわけですが、突然手紙を受け取ります。お嫁さんにしてください、と。
その女性がやってきます。雑貨商の手伝いをしてくれたり、おばあとも仲良くなったり。
島は観光資源も多くなく、今後の発展を目指したリゾート開発と立ち退きの問題を抱えています。仲のいい友達同士でも、賛成派と反対派に分かれたり、いつまでも仲のいい友達同士ではいられない難しさも、いろいろ感じさせてくれます。
砂浜と海の景色、おばあとの生活だけでも、拙者の幼少期を思い出させてくれますので、どんどん作品に引き込まれます。
女性がなぜ島にやってきたのかを読んで、若いのに苦労したんだろうな、こんなドラマみたいな出来事はないような気もするし、大なり小なり、みんなこんな事情も抱えている、とも言えるな、と思いました。いろんな事情はありますが、子供の為に、親が何をしてあげられるか、子供に笑顔を多くさせてあげたいな、と父ちゃんとして思いました。
ちなみに、カフーとは、島の言葉で「果報」で、良い知らせの意味もあるのです。この小説の結末のその後がとても気になるのですが、きっとあーなっているだろうな、と「幸多かれ」と主人公に伝えたいです。
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