[No.3463]
#45「ウランバーナの森」奥田 英朗
ジョン・レノンがオノ・ヨーコと再婚後、長く日本に滞在していたことは有名なエピソードだそうで、夏の季節は軽井沢にも滞在していたようです。
「ウランバーナ」の意味が分かるまでは、ジョンの便秘の苦悩が長々と続くような話で、時折ジョンの若いころの尖ったエピソードや粗相の数々がフラッシュバックされ、便意がないままの苦しい日々が過ぎます。
ちょっと読みだるさを感じそうになったのですが、軽井沢の靄の中での出来事以降、物語は一気にこれまでのモヤモヤ、ジョンの葛藤が一気に語られることになります。
この作品は、奥田 英朗さんのデビュー作品だそうです。出版社への持ち込み、熱心な編集者の出版社内での売り込み、編集者の昇進に伴う書籍化の実現など、奥田氏にとってはとても思い入れのある作品であることがわかります。
読後の感想は、これまでいろいろお世話になった方々、もう直接話せなくなっても何か見てくれていることを感じます。やっぱり好きです、奥田 英朗作品。
読む前には、この表紙の紙で折った兜が、そんな重要な物になるとは思いませんでした。
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