#43「生物はなぜ死ぬのか」小林 武彦
本のタイトルがちょっと刺激的ですが、生物が生きること、とも読み取れます。そもそも生物学に素人的にとても関心を持つ拙者には、とても興味深い内容です。
中学時代に学校の授業で聞いた内容の記憶では、ミトコンドリアの役割はわからない、と説明を受けたはずです。高校時代の生物で、RNAとDNAの役割の違いは分かったのですが、なんでそんなことになっているか、という興味を先生に質問したところ、先生もまだ解明されていない、と教えてくれました。
この本では、ミトコンドリアの起源、RNAとDNAの発生起源による役割の違いも説明されていて、拙者の長年のモヤモヤがクリアになった気分です。
なぜ死ぬか、を考えるという事は、実はなぜ生きるか、どう生きるかにつながると著者も書かれていますが、まさにその通りです。
地球生物の視点で捉えると、次の世代に繋がるために生物は死ぬ、死は生命の連続性を支える原動力である、という考え方にも納得できました。生物にとっての死は必然であり、逃れられないにも関わらず、「死の恐怖」があるのは、ヒトが「共感力」を見にすけ、集団を大切にし、他者とのつながりにより生き残ってきた証、という言葉が印象深く残っています。「死の恐怖」とは、「叫喚」でつながり、常に幸福感を与えてくれたヒトとの絆を喪失する恐怖なのだと。
この本を読んでクリアになったのは、であれば生きている間には、他者とのつながりを大事にしよう、常に幸福感を少しでも与えられるように生きた方がいいな、というとてもシンプルな気付きでした。

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