[No.2275]
#13「明日のマーチ」石田衣良
派遣切りで山形の工場を解雇された若者4名が
東京まで歩いて行く、ただそれだけが目的の旅。
4名の若者、
就職活動に失敗したと後悔する者、
専門学校に通うための学費を稼ごうとしている者、
家庭の事情で働くことになった者、
なぜが暗い過去を抱えていそうな者、
背景や事情はいろいろで人生観もいろいろ。
歩く時間を重ねるごとに、少しずつお互いを知り、
また少しずつ衝突もし、分かりあう。
お互いお知れば知るほど、
分かりえ合えなかったり、意見や思いに違いがあっても
お互いを思いやったり、違いを認め合えたりする、
そう思いました。
東京まで歩く間にいろんな周囲の変化に巻き込まれますが、
利用しようとする勢力や団体に近づかれますが、
自分達の中にブレない軸があれば道は開かれるのだろう、
とも爽快にさせてくれた小説です。
文章や物語の進行も心地よいのは、さすがに石田衣良作品です。
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