フォロワー

2017-11-13

読んだ本(2017-#15):大暴落1929

[No.2874]

#15「大暴落 1929」 J.K. ガルブレイス [訳] 村井 章子

日経BPクラシックス、「道徳感情論」アダム・スミス 
に続く歴史的な意義のある本を読んでみました。
アメリカ大恐慌の時勢を経済活動的に振り返る内容です。
ガルブレイズの序文で書いたように、何度もその後も繰り返した不景気や、
株価下落の度に、注目を浴び、増刷されています。

株価の本質的な特性として、社会経済的にはあまり根拠のない噂で動き、
また社会経済的な実態でも動きます。

アメリカ人の特性として、貯蓄よりも投資を行う傾向が強く、
また株価高等時には投資のマイナスリスクを合理的に判断に織り込めない。

値上がりしたものは、値上がりし続けるわけではない。

こんな当たり前のことも、株取引の当事者になってしまうと、
分からなくなるようですし、また当たり前のことを発言しても無視される。

FRB(アメリカ連邦準備委員会)、金融のビッグプレイヤーは、
株高騰に冷や水を浴びせることも出来ず。
やがて株価は暴落し、財産を失い、生活を失う者、
こっそりと売り抜けて財を増やした者。
情報の非対称性は、無残にも富める者をより富ます。

この本を読んで気づいたことのひとつは、

多数決によって形成された合意は、
最適解にはならない場合が多い

ということです。


最適解を提案すると、みんなが諸手を挙げて賛同してくれるわけではない。
拙者も仕事をする上で、この気づきを励みにしようと思います。

ガルブレイズの文章が、平易に理解できる読みやすさもあり、
また村井章子さんの訳がとても読みやすく感じる私は、
一気に読み終えました。

0 件のコメント: