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2025-03-31

読んだ本(2025-#37):向田理髪店

[No.3884]

#37「向田理髪店」奥田 英朗

昔の大きな産業とそこで働く人々が、産業の興亡の末に少なくなった少子高齢化の町、が話の舞台です。

都会に出た息子が、急に仕事をやめて理髪店を継ぐと言い出し。。。

田舎の町、人の人情と裏返しにある過干渉や、常識や体裁に縛られた息苦しさ、見えない将来の明るい展望。

都会に出た者への羨望、帰省した折に感じるギクシャク。何かの調和を乱しそうな新参者への警戒感、年老いていく町のリーダーやプレイヤー達。

この本の話は、日本のいろんなところで、同じように起こっている実態であり、日常だと思います。拙者も実家に帰省する度に、拙者が過ごした少年時代の頃と比較して、さみしくなったりします。それは、少子高齢化が進んでいることも影響していますが、自分が過ごしている都会との比較で感じる違いの方が感じる影響は大きいと思います。

外国からの花嫁を迎えた友人、青年団の仲間に紹介する気になれない友人の気持ちを察して、赤外線のように温かく接してあげた町の人々、煩わしい干渉はあるものの、それも気遣いの裏返し、思いやりの気持ちがあるからと気づけば、田舎がダメ、都会がいいとかではなく、自分が心豊かに生活するとはどういうことかを知る、ヒントが見えるような気がします。

社会的動物である我々人間は、自分の存在、他者への貢献や能力の優位性を、絶対的あるいは相対的に承認されなければ、心地よくない、心理的安全性を感じることができないのだ、と仮説への思いが強まりました。

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