[No.3886]
#38「一分間だけ」原田 マハ
拙者、犬を飼ったことはないですが、犬は好きです。叔父さん宅のワンちゃんに近寄られることも、ダイニングでテーブルの下から膝をコンコンとされて、食べ物をせがまれるのも楽しかったです。
この表紙のゴールデンレトリーバーも、とてつもなくかわいいです。最近youtubeで、ついつい動物の動画、助けたリス、赤ちゃんを労わる犬、幼児にやさしく接する馬の動画とかを観て、確実に癒されております。
時間の当たり前、不思議さを再認識です。今の1分と、前日朝の1分は、同じ1分ですが、過ごした意義は全く別です。ぼーっと過ごす1分、誰かと濃密に過ごす1分、時間をどのように有効活用するか、が人生そのもののように思います。
何も効率最優先でなくでいいと思います。ホッとすることも大事ですし、何のために過ごしている時間かが大事なんだと思います。
今思えば、進学して実家を出て、働き始めたら実家の母に電話をすることも、少なくなってました。週に1回くらいはかけていたと思いますが、もっといろいろ話しておけばよかったという後悔は、今後も消えることはないでしょう。自分の毎日で5分を捻出できない、ということは、拙者にはないです。毎晩5分でも話せていたら、もっといろいろ母の事や、考えや困っていた事があれば聞けたかもしれないのに。
雑誌編集部でバリバリ働く主人公の藍さん、保護犬のゴールデンレトリーバーのリラを引き取ってから、仕事以外のかけがえのない大事な存在に振り回されます。
藍が帰宅して外に出してくれるまで、自宅内での排泄をせすに待っているリラ。藍の帰宅後が深夜になり、待てずに自宅内で粗相してしまったリラを叱ってしまう藍。そして叱ってしまった自分が嫌になる藍。
子育て、子供と接することと同じだな、と思いました。子供を叱っているつもりが親の感情や不機嫌をぶつけてしまうことはあるし、子供の言い分に合理的な説明や反論ができずに、親がいら立つこともあるでしょう。
家族や大事な友人知人との時間を、さらに大事にしようと思いました。ワイワイ楽しい1分、もう少し寝ていたいと布団でモゾモゾする1分、ポジションの高い方と短い時間で説明して了承いただきたいと緊張する1分、ホームの電車に急いで乗ろうと走る1分、おかえりっとチビ子を抱っこする1分、ダイニングでホッとしてコーヒーを飲みながら家族と過ごす1分、といろんな1分があります。
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