#84「ブルータスの心臓」東野 圭吾
完全犯罪がどのように実現されようとしているか、企画者と実行者が分離しているように見えるし、実はそんな伏線があったのか、と読み進めて終盤になると、怒涛の勢いで明らかになります。
それぞれの登場人物が持つ背景や過去の事情、小説なのでデフォルメされた設定もありますけど、拙者も年齢を重ねて感じるのですが、人にはそれぞれいろんな事情があるもんだよな、と思うのでそんなに大袈裟な設定ではないとも思いました。
いろんな幼少期を過ごし、大学生になって上京し、都会で踏ん張って奮闘し、でも前の世代から東京で生活する同年代のようにはなかなか振る舞えない、余裕もない。当たり前なのですが、劣等感として感じていた時期、拙者にもありました。
あまり書くとネタバレになるので書きませんけど、何かの劣等感を克服するには、正々堂々と克服するのが最適です。誰かの威光を借りる、嘘をつく、暴力やお金で解決する、はどこかでの綻ぶもんだな、が読後の感想の一つです。
劣等感、別にあってもいいじゃないか、とも最近思います。なにくそってガッツ出るきっかけになりますし。
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