[No.3647]
#16「楽園のカンヴァス」原田 マハ
特に有名な作品の一つでもありますが、まだ読んでいませんでした、美術館キュレーターというご自身のキャリアを色濃く反映しているであろうこれら小説ではなく、拙者の場合、スピーチライターの熱い物語「本日は、お日柄もよく」が原田マハ作品の入口でしたので、ようやく美術館ものにハマり始めたところです。
史実に基づくフィクションです、とあります。画家や画商、取り巻く人々の関係がいろいろだと思います。これまで何度か名画や著名な作品に触れる機会がありましたが、いつも思うのは、作家は何を表現したかったのだろう、ということです。
イコンや聖母像で表現したかったメッセージ、人物像に込めた想い、風景画に見えてくる作家の思い出や情景、画家が他の画家から受けた影響などを知りながら作品を鑑賞すると、作品を何倍も楽しめる、そんな気がします。
著名なアンリ・ルソー作「夢」と同じような絵画の真贋を鑑定して欲しいと、秘密裏に依頼されたΜοΜΑのアシスタントキュレーターのティム・ブラウン、10数年前に忽然とルソー界が研究の若き世界的権威であった早川織絵。真贋の判定を競う中で、ルソーとピカソ、「夢」の女性モデルであるヤドウィカとルソー、絵画の持ち主とオークションハウスの面々、真贋と盗品の捜査でインターポールまで絡み合う美術ミステリー。噂や評判以上に面白かったです。原田マハ美術ミステリー、まだまだあるので楽しみです。
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