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2020-08-01

読んだ本(2020-#14):本日は、お日柄もよく

[No.3191]

#14「本日は、お日柄もよく」原田マハ

いやー、面白かったので一気読みです。
原田マハ著作を初めて読みました。
キュレーターなどの経歴を持ち、美術作品や美術史と関係した
著作があるのは知っていましたが、スピーチライターを主人公にした
小説もあるのですね。

プレゼンテーションや報告など、数十名を前にする機会では、
伝えたい内容を正確に、間違いなく、簡潔に話すことはもちろん大事で、
さらに、印象に残るように、分かりやすい表現や方法に知恵を絞ります。

結婚式のスピーチ、政治家の演説、いろんな場面でも同じですね。
想いを持って、言葉に変換して、全身全霊で伝えることこそ大事、
だと私も思います。

「え〜」とか、プレゼンテーションの間では言わず、
時間つなぎの意味しかないのであれば、むしろ沈黙を持って2秒でも
間をおいた方が説得力も増す、と拙者が気づいたのは15年前。
拙者自身も実践し、部下や後輩にも言って来ました。

幼少の頃からいつも優しく接してくれていた伯母(オフクロのお姉さん)、
事あるごとにお祝いしてくれたり、激励してくれた叔父(父の妹の旦那さん)、
昨年相次いで見送ることになったのですが、
遠方なので葬儀に出席せずに、弔電を送りました。
伯母さん、叔父さんに直接お礼を伝える気持ちを弔電にしました。
聞いている親戚や家族が、悲しみの中でも、少しでもホッコリした気分に
なってくれるといいな、とも思い、エピソードも少し織り交ぜました。

いずれの葬儀の後にも、父から電話がありました。
拙者の弔電が代表で葬儀で読まれ、みんながいい弔電だ、と言っていたよ、と。
そのことが父は嬉しかったし、弔電を送ってくれてありがとう、と。

後日、伯母さんの娘さん(つまり従姉)、叔父さんの奥さん(つまり叔母さん)から
お手紙をいただきました。
拙者の弔電が楽しくて、嬉しい内容だった、みんなで喜んだ、
わざわざ弔電を送ってくれてありがとう、と。

拙者にしてみれば、伯母さんと叔父さんにお礼の気持ちを伝えただけ。
ちょっとだけ、お世話になったことにお返しできた、いや、できてないけど。

定型の弔文も悪くないだろうけど、
やっぱり想いを持って、気持ちを込めて、一語一語を選んで、
伝える文章がいいと思います。

言葉って消えゆくけど、残る人には永遠に伝わり続けると思う、
この小説の国会答弁、結婚式のお祝いのスピーチ、確かにそうだし、
拙者の経験からも、そう思います。
言葉は、愛情であり、知性であり、人格だとも思います。

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