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2025-02-17

読んだ本(2025-#20+#21):邪魔

[No.3657]

#20+#21「邪魔」奥田 英朗

上下合わせて約800ページ、読み進めていくと本のタイトルが「邪魔」であることを意識しなくなりました。上を読み終えることろに気が付きました。何でタイトルが「邪魔」なのか、と。

オヤジ狩りをする高校生三人組、亡き妻の義母を世話する刑事、火事が旦那の宿直中に起きた妻、などの登場人物が、それぞれにつながり、大きなうねりになっていきます。なんでこんなことになってしまうのだっけ、と。

きっかけになるのは、些細なごまかしや、どうしようもなく不運な事故、ちょっとイキってカツアゲしたとかなのですが、足元を見られたり、弱みを握られたりして、いつの間にか、自分で冷静に判断できなくなる流れに、巻き込まれてしまう、どうしようもなくなる、というやるせなさを感じずにはいられません。

写真にある帯のキャッチコピー、読後に再度見ると、なるほど、と強く思います。自分が大事にしたい細やかな幸せが、どうにもならないなってしまう状況が見えてしまいます。

小説を読むことの意義の一つに、誰かの人生を疑似体験できる、があると思います。登場人物の一人である、及川恭子の立場に置かれたら、自分ならどうするか?

ネタばらしにならないように気を付けますと、家族などの身内に裏切られたり、騙されたりするのはとてもしんどいですが、それでも自分が守りたい者や物を守るために、自分でもよく考えて、信頼できる誰かに相談できることが、やっぱり大事、だと気が付きました。

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