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2025-04-11

読んだ本(2025-#40):暗幕のゲルニカ

[No.3894]

#40「暗幕のゲルニカ」原田 マハ

原田マハ作品、いろいろ読んできましたが、いろいろ美術ものにハマってきました。

拙者、美術鑑賞の能力があるとは思いませんが、すぐれた作品を観て、すごいなと感じることは好きです。

モネやマティスも最近見れたので、ピカソとマティスとの関係とかも、「楽園のカンヴァス」を読んだ時に知って面白かったです。

ピカソがゲルニカを描き始める、描いている途中、仕上がった時を、ピカソの恋人ドラがカメラで撮影するのですが、その状況が映像として目に浮かんできそうでした。

9.11テロへのなかば報復の決議、国連安全保障理事会会議場で、アメリカの国務長官がテロ国家への攻撃を説明する時、TVカメラで撮影すると映るはずのゲルニカのタペストリーが暗幕で隠されていました。今ひとたび世界平和をメッセージとして考えるべき場とタイミングで、ゲルニカに暗幕がかけられた、という場面から、ゲルニカ制作の過去やピカソ、ゲルニカを所蔵するスペインの美術館、ニューヨークでゲルニカを展示しようと奔走するMoMAのキュレーター。

過去と現在、作家であるピカソと美術関係者、登場人物が、繋がっています。

こんな話を紡ぎ、小説という作品を作り出す作家さんは、すごいです。最後の2ページを読む時は、ハンカチで目を何度か押さえておりました。ランチ休憩中の会社のデスクでしたけど。

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