[No.3982]
#76「運転者」喜多川 泰
不思議なタクシードライバーとの出会いがきっかけになるオムニバス作品ですが、作品タイトルは運転手ではなく、運転者です。運を転がす者、というタイトル、読了と共に沁み渡ります。
報われない努力なんてない! と大きくありますが、これは誤解を招くと思います。努力が必ず報われる、と言い換えられると、もがいている人に無責任な期待感を煽るように感じます。
拙者なりに言うなら、努力した事はどこかで何かに繋がっている、だと思います。
いろいろ頑張ってみるものの、自分以外の要素や事情に影響されていい結果にならないこと、どうしようもない気分になる事はあると思います。
不意に乗ったタクシーの運転手さんに、少しぼやけたお説教をされているとい気分になるか、自分を客観的に捉えられるかも、と受け入れるか、拙者だったらどうでしょう。
難しい時もありますが、明るき元気よく挨拶する、とか、お世話になったらお礼を言うとか、困っている人がいたらちょっと助けてあげる、教えてあげることができれば、そのうちいい事あるだろうな、とは思います。

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