[No.3142]
#2「ストロベリーライフ」荻原 浩
何故なのかはわかりませんが、荻原浩作品の登場人物には
どうしても感情移入してしまうのです。
スペシャルな能力や技能やメンタルを持つと言うよりも
日常の事情にまみれながらも、何とかしようと頑張っていて、
でもそんな悲壮な感じもしない、のが拙者の好きなとこかも知れませんけど。
実家のイチゴ農家が廃業の危機。
お父さんが体調悪くなり、
年老いた母がイチゴ農家を一人で切り盛りできるはずはなく、
東京でフリーランスの広告プランナーの主人公が
父の見舞いに帰省するところから始まります。
イチゴ農家の仕事なんか継ぐつもりもない主人公が、
ビニールハウスの中のイチゴの生育を見てから、放っておけなくなります。
妻と息子も、東京での生活がいいって言っているにも関わらず。
人生設計には、周到な準備や綿密な確認や段取りも重要です。
収入や支出の計算、将来に渡る絵姿をどう実現するか、を考えるんだと思います。
しかし、対極の考えになりますが、人生なんて思った通りにはなりません。
想定もずれるかもしれないし、自分自身の意向も変わるかもしれません。
その時々、一瞬一瞬を真剣に、楽しんで生きる事が大事かな、
が今現在の拙者の結論的な想いです。
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