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2021-11-22

読んだ本(2021-#52):この国のかたち(6)

[No.2898]

#52「この国のかたち(6)」司馬遼太郎

とうとう全6巻を読み終えました。最後は未完のままで著者が鬼籍に入ったので致し方ないですが、少しでも著者の実体験や研究をベースにした日本人史観といも呼ぶべき、歴史的な事実の解釈や、そこから導かれる現代日本の行動様式、道徳観、倫理観などを察することができたような気がします。

もっと若い頃に読みたかったという後悔もありますが、この年齢になってこそ感じること、考えが及ぶこともあるので、ふむふむとうなづいたり、そういうことだったのか、の連続でした。例えば、⚪︎兵衛という名の歴史的な由来や経緯など。

言い古された表現ですが、歴史は川の流れと感じました。急流もあれば蛇行する箇所もあるし、上流と下流でも変わるし、雨が降れば濁って水量が増えるし、晴れが続けば水量が減るし。川に流れながら移りゆく景色を眺めるか、沈みそうになるか、流れ行く川を一箇所で眺めるか、で見え方、感じ方も違います。

日本の歴史の流れを見ると、やはり明治維新というタイミングで起こった変化が、理屈はなく勢いで、起こってしまった、と捉えました。将軍から明治天皇に最高権力が移譲下にも関わらず、同様に高位の地位にあり続けた人、高位から去った人、去らされた人、急にのし上がった人、まさに入り混じっています。

その人々が織り成した制度や構造が、あの大戦に向かわせることになった、とやはり感じました。官僚制度に関する中国、欧州と日本の比較も興味深かったです。

きっと読み返すと思いますので、お気に入りのコーナーに1〜6を積んでおきます。

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