[No.3355]
#58「コロナと潜水服」奥田 英朗
久しぶりに本屋をブラブラ過ごしていて見つけた戦利品とも言うべき奥田英朗作品です。これまで、けっこう奥田作品を楽しんできました。読むのが快適で楽しい理由は分かりません。
直木賞受賞作家に、いい作品ですねと言うのはおこがましすぎますが、拙者にとっては、まだ読んでいない奥田作品を手にして読むのは、とてもラッキーと感じることです。
科学的には証明できない存在や出来事を、この作品では「小さな救世主」と表現しているのかもしれません。
拙者、いわゆるスピリチュアルな存在や力を説かれるのは好きではないのですが、拙者自身は、科学的には証明できていないけど、何か霊的な存在や力はある可能性がある、と思っています。家族以外の誰かに言うわけでもないですけど、そんな存在や力がある、と思った方が楽しいですし、先に虹の橋を渡った人たちとつながっていられる気持ちになれます。
第二編「ファイトクラブ」は、奮闘するサラリーマンへの応援歌も感じます。置かれた場所で咲きなさい、くらいの高尚さはないですが、その場で何とか楽しみコツコツ頑張る重要性を再認識させてくれます。
第三篇「占い師」の主人公、人間の業や煩悩が端的に、でも具体的に描かれていて興味深かったです。拙者は、人気のプロ野球選手でもないし、フリーの女性アナウンサーにもなれませんが、何だが人生を疑似体験したような気持ちです。
文庫本で700円のこの作品、やはり読書は費用対効果の高い投資、意味のあるいお金の使い方だと実感できます。
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