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2023-12-19

読んだ本(2023-#58):コロナと潜水服

 

[No.3948]

#58「コロナと潜水服」奥田 英朗

久しぶりに本屋をブラブラ過ごしていて見つけた戦利品とも言うべき奥田英朗作品です。これまで、けっこう奥田作品を楽しんできました。読むのが快適で楽しい理由は分かりません。

直木賞受賞作家に、いい作品ですねと言うのはおこがましすぎますが、拙者にとっては、まだ読んでいない奥田作品を手にして読むのは、とてもラッキーと感じることです。

科学的には証明できない存在や出来事を、この作品では「小さな救世主」と表現しているのかもしれません。

拙者、いわゆるスピリチュアルな存在や力を説かれるのは好きではないのですが、拙者自身は、科学的には証明できていないけど、何か霊的な存在や力はある可能性がある、と思っています。家族以外の誰かに言うわけでもないですけど、そんな存在や力がある、と思った方が楽しいですし、先に虹の橋を渡った人たちとつながっていられる気持ちになれます。

第二編「ファイトクラブ」は、奮闘するサラリーマンへの応援歌も感じます。置かれた場所で咲きなさい、くらいの高尚さはないですが、その場で何とか楽しみコツコツ頑張る重要性を再認識させてくれます。

第三篇「占い師」の主人公、人間の業や煩悩が端的に、でも具体的に描かれていて興味深かったです。拙者は、人気のプロ野球選手でもないし、フリーの女性アナウンサーにもなれませんが、何だが人生を疑似体験したような気持ちです。

文庫本で700円のこの作品、やはり読書は費用対効果の高い投資、意味のあるいお金の使い方だと実感できます。

2024-07-08

読んだ本(2024-#53):野球の国

[No.4070]

#53「野球の国」奥田 英朗

野球少年とか野球小僧という言葉があります。子供の頃に野球に熱中していた、今でも野球をするのも見るのも好き、いろんな意味が込められていると思います。

遊びの野球、部活動やクラブチームでの本気の野球、どれを見るのも楽しいです。

拙者は、小学校時代は野球とソフトボールと少年団サッカーの毎日でした。中学で野球部になってからはサッカーからは離れて、高校時代は野球部ではなかったので、体育の授業でソフトボールが楽しかったです。

社会人になって、会社のソフトボール大会で、守備でファインプレーを、上司からレフトオーバーのホームランを打った翌日、役員からプロジェクトを担当するように声をかけてもらい、今の仕事を始めるきっかけになりました。今も健康でスポーツを楽しめているのも、野球のおかげだと思います。

そんな野球への想いを持つのは、拙者だけではないと思います。奥田氏も大好きなようです。沖縄キャンプ地巡りを一人旅のくだりは、なかば無為な時間を、積極的に楽しむ感じは、拙者の海外出張一人旅を思い出します。特に世界一周プランの時は、10日間以上の出張でしたので、移動時間や空き時間を一人で過ごすので、仕事もしましたが、本も読んだし、いろんな普段と異なる物に触れたり、じっくり考えたりと過ごしていました。別に旅行に出かけなくてもいいので、じっくりと考えてみることは、有意義だなと思います。

奥田氏は、旅行前にたくさんの原稿を仕上げてから出かけるでしょうし、旅行後にはたくさんの原稿依頼に追われるのだと思います。そんな忙しい奥田氏の毎日で、隙をうかがうように野球を楽しんでいるのだと感じました。

それにしても、エッセイだからふんだんに日常会話のような綴り方なのですが、適切で無駄のない言葉の並び、直木賞受賞の人気作家ですから当然なのかもしれませんが、すごいなと思いました。

2024-06-10

読んだ本(2024-#44):ウランバーナの森

[No.4049]

#44「ウランバーナの森」奥田 英朗

ジョン・レノンがオノ・ヨーコと再婚後、長く日本に滞在していたことは有名なエピソードだそうで、夏の季節は軽井沢にも滞在していたようです。

「ウランバーナ」の意味が分かるまでは、ジョンの便秘の苦悩が長々と続くような話で、時折ジョンの若いころの尖ったエピソードや粗相の数々がフラッシュバックされ、便意がないままの苦しい日々が過ぎます。

ちょっと読みだるさを感じそうになったのですが、軽井沢の靄の中での出来事以降、物語は一気にこれまでのモヤモヤ、ジョンの葛藤が一気に語られることになります。

この作品は、奥田 英朗さんのデビュー作品だそうです。出版社への持ち込み、熱心な編集者の出版社内での売り込み、編集者の昇進に伴う書籍化の実現など、奥田氏にとってはとても思い入れのある作品であることがわかります。

読後の感想は、これまでいろいろお世話になった方々、もう直接話せなくなっても何か見てくれていることを感じます。やっぱり好きです、奥田 英朗作品。

読む前には、この表紙の紙で折った兜が、そんな重要な物になるとは思いませんでした。

2024-03-20

読んだ本(2024-#19):Variety

 [No.3999]

#19「Variety」奥田 英朗

著者があとがきで書かれていますけど、いろんな出版社や雑誌に掲載された短編を、このままではもったいないと寄せ集めて一冊の本になったそうです。本のタイトルそのままですけど、情景や、主題となるテーマなどが多様です。

大手広告代理店から独立して起業した主人公、大手に勤めていた時には気に留めていなかった大手の恩恵、知らないわけではなかったけど、実感してみると、大手の力は強く、以前お世話になっていたクライアントをいただくなんてもっての他、と気がつきます。

ビジネスマンとしていろんな経験をしてきましたが、結果的に転職したキャリアも、自分でいい選択だっとと思えています。終身雇用、退職金、企業年金、福利厚生などは、実はあまり自分のキャリアを考える上では、ほとんどウェイトをかけていませんでした。自分の専門性や興味関心を評価してくれる場所で成果を出したい、とただ思ってきましたし、思っています。

奥田英朗作品、やはり好きです。この短編集の中にはそんなに気にいらないものもありますけど、主人公の情景描写、受け入れるしかない無常は受け入れるものの、決して諦めるわけではない感じ、が拙者のお気に入りポイントの一つであります。

まだまだ読んでいない奥田英朗作品がありますので、どんどん読んでみます。

2017-05-18

読んだ本(2017-#8):恋愛仮免中

[No.2808]

#8「恋愛仮免中」奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄、中江有里

奥田英朗、荻原浩というお気に入りの作家が含まれている短編集です。
作家を批評できるほどの読書量や見識はもちろん持ち合わせておりませんので、
単なる好き嫌いなレベルのコメントですが、
やはり奥田英朗、荻原浩両氏の作品は好きです。
選ばれた言葉、脈略、登場人物の気持ちに想いを馳せると、
なんだかこちらまで気持ちがホッコリするようです。

萩原浩さんに感じる特徴として、
過去と現在を軽快に自由自在に行き来し、
でも読んでいる拙者が混乱しない読みやすさ。

2024-03-06

読んだ本(2024-#15):噂の女

[No.3991]

#15「噂の女」奥田 英朗

久しぶりの奥田英朗作品、一気読みでした。

高校時代は地味で目立たなかった女性が、色香の豊潤な20代女性となり、自動車販売会社で働いたり、歓楽街で店を開いたり、建設会社の社長や代議士などのパトロンを得て、いろんな噂を纏いながら、のし上がるストーリーです。

人の噂には、確かに事実も含まれてはいるでしょうが、羨望や妬み、それぞれの人の事情に起因する印象などが複雑に絡んでいるな、と思います。

この噂の女こと、糸井美幸が主人公ですが、主人公の言葉や立場で語られることなく、周囲の噂や評価だけで物語は進んでいきます。この糸井美幸ののし上がるストーリーを、サクセスストーリーと読むのか、殺人容疑の話と読むのか、富豪の相続トラブルと読むのか、義賊物と読むのか、いろんな読み方がありそうです。

正直な感想ですが、奥田作品は好きですが、この本よりも、これとか、あれとか、が好きなのでおススメです。

2011-01-21

読んだ本(2011-#2):東京物語

[No.1390]

#2「東京物語」奥田英朗

好きだな~、読みたくなるなぁ 奥田作品

状況描写、経緯、登場人物の感情などの説明の広さ、深さ、ペースが
とても拙者好みで、読みやすく、読後感がとてもいい、気分がいい。

「バブル期を迎えた80年代の東京で、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく。
眩しくて懐かしい、青春グラフィティ(解説・豊崎由美)」

このまんまです。
大学を中退して、小規模の広告製作会社で奮闘し独立。
取引先との関係や、同僚や友人、家族と関係は、
この作品の時代とは一致しませんが、
拙者が東京でサラリーマンをしていた前職時代を
十分に思い出させてくれました。

まだまだ読みたいですね、奥田作品。
ちなみに拙者が読んだのは、ブッ●オフにて100円で購入した文庫。
これはお買い得でございました。

2010-08-20

読んだ本(2010-#11):真夜中のマーチ

[No.1285]

#11「真夜中のマーチ」 奥田英朗

やってもーた。

所要5時間で、奥田英朗作品を2冊読み終えてしまった。
せっかくの楽しみを5時間で終えてしまった自分が憎らしい。


話のテンポやリズムがよく、登場人物のキャラクターにもうなづき、
そして基本的にはユーモアが溢れている作品。

賭場に集まる10億円のお金を、いろんな事情から盗み出そうとして、
他に中国マフィアと日本の反社会的勢力も絡んで・・・

こんなこと自分の周囲には起こらないのですが、
自分も登場人物の一人になった気分で読めました。

東野圭吾に始まった拙者の小説ライフ。
石田衣良、荻原浩に続いて、奥田英朗も好きな作家になりました。

2014-09-05

読んだ本(2014-#17):空中ブランコ

[No.2309]

#17「空中ブランコ」奥田英朗

やっぱり、面白い。
奥田作品の精神科医の伊良部シリーズ。
ただ実際に会ってみると、面食らうと思います。

拙者が手にしたのは、第14刷もの。
人気作品なのも分かります。

精神的な異常とまではいかなくても、
普段の自分ではない、本調子ではないという場合に
自分自身では原因を見つけられずに、
誰かの意見やアドバイスを聞いてみるのは
とても有効なことだと思います。

原因は外部や他者にあることもありますが、
自分自身に原因があることもあるわけで。

自分自身に原因があることを、
自分ではなかなか気がつかないものです。

威厳や信頼のある方から発せられるのであれば信用もできますが、
伊良部医師だと、第一印象は信用できないってなるはず。

イン・ザ・プールも面白かった。

精神科医の伊良部シリーズ、まだあるらしいので
また読んでみようと思います。

2025-06-27

読んだ本(2025-#61+#62):サウスバウンド(上)+(下)

[Νο.3945]

#61+#62「サウスバウンド(上)+(下)」奥田 英朗

若かりし頃に学生運動をしていた父と母。税制や義務教育の学校に対して、いちゃもんをつけまくる自称作家の父と、なぜだかそんな父を支える母。

小学生の主人公は、社会人の姉と小学生の妹のいる5人兄弟。不良中学生に目をつけられたり、中学生の子分の小学生にからかわれたりの日々。

何かと社会にいちゃもんをつける父をうるさいと感じる中で、父の精神的な肉体的な強さを感じるようになります。いろいろあって沖縄の西表島に引っ越しますが、水洗トイレもない、テレビもない、コンビニもゲームセンターもない環境。東京からの帰省、八重山の歴史的ヒーローの孫として歓迎される父、いろいろ助けてくれる地元民との暮らし。西表島に入り込んでくる都会資本のリゾート開発。そこでも戦い、決して負けない父と支える母。


いろいろな社会制度や報道を、なぜか、本当に必要なのか、どうすべきかを考えることすらせずに、ただ受け入れることも少なくありません。疑問を持つのではなく、スマートにすませることが、あたかも合理的んであるような雰囲気が日常にあることも否めません。

自称作家の父のセリフが、先日お会いできたかつての上司、人生の先輩のアドバイスと重なります。自分で考え抜くこと、が大事だと。

奥田英朗作品、今まで24作品くらい読んでいるようですが、この作品は中でも好きな方にランキングされると思います。会社で働く拙者は、この父のように自分で考え抜いて振る舞うことの難しさを感じますが、家族や友人知人を守るために考え抜いて、行動するのは、持つべき強さだな、と思いました。

2011-08-08

読んだ本(2011-#17):最悪

[No.1512]

#17「最悪」奥田英朗

鉄工所を営む40代の中年男性、
銀行の窓口で勤める20代の女性、
パチンコで時間とお金を浪費し犯罪にも少し手を染める20歳ぐらいの男性、
いずれにも拙者は該当しませんが、この3人が主要な登場人物です。

物語の中では、接点のない3人ですが、それぞれに悩みや苦しみも抱えて
日常生活を積み重ねています。毎日に生活の積み重ねを繰り返すうちに、
いつの間にか積み重ねた変哲もない毎日が悩みや苦しみ、変化を試みようとすると
強烈に効くブレーキになっているようです。

毎日楽しいことばかりではないことは、大人になると分かりましたが、
だからと言って、楽しく過ごす事を諦めたくないですし、
どうにかして、チャンスにつながるロープを手繰り寄せようとする気持ちは
失いたくないです。

タイトルは最悪なんですが、何か大きなトラブルが最悪な気分をもたらすだけでなく、
何の変哲もない日常の積み重ねが最悪を作り出す、とも思えました。
でもそんなに最悪なエンディングではない、どこか心地よい読後感です。

以前読んだ「ララピポ」にも似た好きな本だと思ったら、
どちらも奥田英朗作品でありました。

2010-08-18

読んだ本(2010-#10):家日和

[No.1283]

#10「家日和」奥田英朗

うーん、なんでなんだろう。
奥田作品は、読んでいて心地よく、アッと言う間に読み終えてしまう。
状況の描写は必要にして十分、登場人物の心理描写は言い得て妙。

いろんな家族の中で発生するちょっとしたトラブルやいざこざ。
家族とどう向き合うか、どう接するか、自分だったらどうするだろうかなぁ、
と思いながら読むわけです。

やはり家族が笑顔でいられることが、いかに大事かをあらためて知った。

でも、これから結婚の予定がある男性は読まない方がいいかも。
奥さんに甘えたいと思うことが、幻想であることを知ってしまうことになりそう。

2009-11-19

読んだ本(2009-#40):イン・ザ・プール

[No.1124]

#40「イン・ザ・プール」奥田英朗

登場人物に共通するのは、他人からの意見や指摘を受け入れ難い性格のように思います。
自分の中で暴走する思い込みや勘違いが、不安や不満を増幅させていることがわかります。
そんなになる前に、話を聞いてもらえる家族や友人がいればいいのに、が拙者の気持ち。
でもきっと、実社会でもこういうこと多いだろうなぁ、と思います。

ただ、大人になれば、ましてや会社で働けば、多くの人には出会うけど、本当にホンネをさらして付き合うことができる友達が多くできるわけではない。でも、ホンネをさらして付き合うことができる家族や友達がいなければ、精神的な安心感のある生活を送ることもできない。

やっぱり、家族と友達って大事だな、いい友達がいてくれてありがとう、が読んでの感想。

このシリーズの続編もあるみたい。
主人公の伊良部医師についているセクシー看護婦さんの今後のキャラ展開も気になるので、
続編も読むことにしよう。

誤解がないようにつぶやいておきますが、
決してセクシー看護婦さん狙いで読んでいるわけではありませんよ、決して、はい。

2009-07-02

読んだ本(2009-#29)

[No.1039]

#29「ララピポ」奥田英郎

社会の底辺に生きていることを自覚している登場人物達の短編。
そもそもララピポって何のことだろう、と思って読み始めたのですが、
そんなことはどうでもよくなりました。

仕事や勉強や家事を(ほとんど)頑張ろうとせす、どちらかと言えば、楽な選択をし続ける登場人物達。その末路はあまりハッピーではないのに、なぜかドンドン読み進んでいることに気付きました。

登場人物達の行動を支持する気持ちはないのですが、その行動に至る悩みや考え方は理解できないわけでもない。
コンプレックスや妬みが、こんな事まで引き起こす? の感はありますが。

この作品は短編小説という扱いでしょうが短編ではありません。むしろ長編かも。
ララピポというタイトルの意味を知り読み終わると、すごい納得感がありました。

2024-04-08

読んだ本(2024-#23):コメンテーター

 [No.4008]

#23「コメンテーター」奥田 英朗

トンデモ精神科医 伊良部シリーズ、久しぶり17年ぶりの最新刊と聞けば、すぐに読みたくなるもののです。イン・ザ・プール町長選挙空中ブランコを読んでいた時の楽しさを、思い出します。

映画では松尾スズキ、ドラマ版では阿部寛の主演だそうです。どちらも雰囲気がトンデモ精神科医を存分に演じられるような期待が高まります。

何らかの気持ちのモヤモヤ、ストレスや不安を抱えていない大人、いや大人ばかりではなく子供もいないと思います。拙者も中学に入るまでは、毎日野球やサッカーに興じるだけのような毎日でしたが、先輩後輩の部活、高校となれば友達とも進路が分かれる、などが見えてきた当たり、考え事や心配事も出てきたように思います。


精神疾患とか、精神科医に診察してもらうという事を聞けば、何か日常的ではなく、よりシリアスだったり、特別な精神状態であるような印象を受けていましたが、自分の不安を吐露できる相手、と思えばいいような気もします。

同僚や友人に相談し辛い事もあれば、自分で抱え込んでしまうのはしんどいですから、誰かには聞いてもらった方がいいと思うのです。

都会で一人暮らし、転職したての頃、そして今の仕事に取り組むようになって専門家を目指して深夜残業が多くなった頃、しんどかったと思い出します。あの時に、この本を読んでも、楽しめなかっただろうな。

田舎の両親は心配するばかり、学生時代からの友人には状況を説明するのもわかってもらえないだろうと勝手に判断して、相談もせず。でも、身近な同僚が人事労務的な知識が豊富で、話を聞いてくれて助けられたのです。

睡眠不足が体調や精神に悪影響を与えることを実感したので、それ以来、睡眠時間を意識するようになりました。精神科医 伊良部さんのように、俯瞰する、適度に軽率が、いいバランスだろうな、とは思います。

確か映画版は観たことがある気がしますけど、映画版とテレビ版を見てみようと思います。

2011-09-12

読んだ本(2011-#20):ドミノ

[No.1538]

#20「ドミノ」恩田陸

東京駅で、
・インターネットでの俳句仲間と初めての待ち合わせする4人の年配男性
・女性に別れを切り出そうと、偽の彼女に頼んで別れを切り出そうとしてう男女3名
・会社の休憩用のお菓子を買いに来たOL1名
・爆弾テロを目論んでいる活動集団3名
・子役オーディションの常連2家族(娘と母親)
・駅で行き交う人々を対象に、観察眼を鍛錬している大学の推理サークルの学生3名
・大事なものを届けようとして、駅の往来を駆け抜けるバイク1台×2回

これらの人々が交差する同時進行の小説です。
読むよりも、映画やドラマで見た方が楽な気がします。
誰と誰が、何と何がどのようにつながっているかが分かりやすく、
白々しくないようになっている同時進行の小説が良作と思います。

できれば最後に、そんなつながりだったのか、とうなづきたい。
「ララピポ」奥田英郎 は良かったなぁ。

2016-01-30

読んだ本(2016-#1):我が家の問題

[No.2584]

#1「我が家の問題」奥田英朗

屋根の数ほど物語があり、
部屋の明かりの数ほどいろんな事情があるんだとは思います。

どんなに仲のいい家族でも、ケンカする時はあるし、
兄弟姉妹でも年齢を重なると、お互いにお互いの事情が
衝突とまではいかなくても、すんなり合意できない事もあるだろうし。

だからと言って、大問題になる訳でもないけど、
けっこう調整が必要になり、ときっとどこの家庭でもある話。

どこにでもありそうな話を、疑似体験させてくれるのが小説の機能の一つとすると、
この本は、拙者にとっては間違いなくいろいろ疑似体験させてくれます。

登場人物も、同じような年齢や境遇。
でも、なんとなくホッコリして、気分が爽やかになります。
まだまだ子育てのサラリーマンのみなさん、ぜひ読んでみてください。

2024-05-22

読んだ本(2024-#40):用もないのに

[No.4038]

#40「用もないのに」奥田 英朗

出版社の関係者との放浪記、野球好きなおじさんのオリンピック野球競技の観戦記とも呼べるエッセイですが、やはり文章は軽快で、わかりやすく、面白いのです。こんな文章書けるようになりたい、と単純に思ってしまいますが、著者は直木賞作家であり、吉川英治文学賞の受賞者であり、人気作家です。テニスを始めた初心者が、テニスをジョコビッチみたいに簡単にできるといいな、と思ってしまうのと同じと思います。

いろんなイベントや会場に出かけていくのですが、拙者読みながら気づいたことがあります。チビ子を連れて遊びに行っていた時の思いとリンクするのですが、出かける前にいろんな確認と準備がなければ、お出かけ満足指数が猛烈に下がる、ということです。

コンサート会場への道順、地下鉄の出口、席の場所や見え方、トイレの場所などが事前に分かっていないと、会場に遅れたり、思ったよりも楽しめなかったり、せっかくのイベントが楽しめないとなりがちです。

小さいなチビ子を連れている時は、すぐに食べられる物、飲める物を持っていましたり、すぐに買えるように周囲も見ていました。

行ってみたら行列だった、売り切れだった、休業日だった、思ったよりも暑くて大変だった、そんなことがないように準備しておこう、という気持ちになれる本でした。

2025-02-17

読んだ本(2025-#20+#21):邪魔

[No.3657]

#20+#21「邪魔」奥田 英朗

上下合わせて約800ページ、読み進めていくと本のタイトルが「邪魔」であることを意識しなくなりました。上を読み終えることろに気が付きました。何でタイトルが「邪魔」なのか、と。

オヤジ狩りをする高校生三人組、亡き妻の義母を世話する刑事、火事が旦那の宿直中に起きた妻、などの登場人物が、それぞれにつながり、大きなうねりになっていきます。なんでこんなことになってしまうのだっけ、と。

きっかけになるのは、些細なごまかしや、どうしようもなく不運な事故、ちょっとイキってカツアゲしたとかなのですが、足元を見られたり、弱みを握られたりして、いつの間にか、自分で冷静に判断できなくなる流れに、巻き込まれてしまう、どうしようもなくなる、というやるせなさを感じずにはいられません。

写真にある帯のキャッチコピー、読後に再度見ると、なるほど、と強く思います。自分が大事にしたい細やかな幸せが、どうにもならないなってしまう状況が見えてしまいます。

小説を読むことの意義の一つに、誰かの人生を疑似体験できる、があると思います。登場人物の一人である、及川恭子の立場に置かれたら、自分ならどうするか?

ネタばらしにならないように気を付けますと、家族などの身内に裏切られたり、騙されたりするのはとてもしんどいですが、それでも自分が守りたい者や物を守るために、自分でもよく考えて、信頼できる誰かに相談できることが、やっぱり大事、だと気が付きました。

2009-11-27

読んだ本(2009-#41):マドンナ

[No.1128]

#41「マドンナ」奥田英朗

著者の小説をい読むのは3作目ぐらいでしょうか。
拙者にとって、ぶち(標準語:とても)読みやすい文章です。
いろんなサラリーマン、40歳代、男性が主人公の短編集です。

職場に若い女性が異動した時の根拠のないトキメキ、年上の男性上司以外が上司になった時、あるいは年下の後輩以外が部下になった時のとまどい等、サラリーマンであれば、ついつい頷いてしまう事も多いです。

拙者まだ40歳代ではないですが、頭をブンブン振りそうになるぐらいに共感できました。
これまでに獲得したポジションや家族や知人等、守りたいものが増えていくと同時に、獲得してやろうと挑戦する気概や時間がなかなか増やせない焦燥感。
失ったら取り戻せばいいじゃないか、また獲得すればいいじゃないかと割り切れるのは若いからかもなぁ、と感じました。

何かを守ることは、決して何かに挑戦しないってことでもないわけで。
体力も時間もなかなか調整がつきませんが、いくつになっても、やっぱり何かに挑戦していたいです。

近所に道場があることがわかったので、高校の部活動を卒業して以来になる弓道を再びやってみようか、という気持ちがここ2,3日でムクムクと気持ちが盛り上がっております。
高校時代に輝かしい成績というのはないですが、拙者は弓道弐(2)段です。

的に向かう静寂の中で、集中できた時の達成感。
確かに的中も大事ですが、自分との戦い、自分をコントロールする面白さを再び味わって、技術も向上させたい。

弓、矢、かけ(弓を引っ張る右手の手袋)、弦、袴などなど、入手する必要があるので、しばらくの間は、イメージトレーニングメインで挑戦しようと思います。