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2024-04-26

読んだ本(2024-#32):小澤征爾さんと、音楽について話をする

[No.3429]

#32「小澤征爾さんと、音楽について話をする」小澤 征爾x 村上 春樹

アジア人としてヨーロッパのクラシック音楽の世界に飛び込み、それも指揮者としてコンクールで優勝し、カラヤンやバーンスタインという著名な指揮者に師事し、ボストンの常任指揮者になって、という活躍ぶりを「ボクの音楽武者修行」で読み、興奮していた田舎の中学生でした。

ヨーロッパの各地をスクーターに乗ってコンクールに出場とかの型破りなエピソード、アジア人が完全アウェーのヨーロッパクラシック音楽界で奮闘したこと、田舎で生まれ育った拙者も、いろんなチャンスがあるのかもな、と思わせてくれました。

そんな偉大なマエストロ小澤征爾さんが、鬼籍に入られたと知り、どんな言葉を話していたのか知りたくなって、読んでみました。

作家でもありますが、猛烈な音楽愛好家でもある村上春樹氏との対談を、村上氏が書いた対談集です。

指揮者が譜面を読むという事がどんなことか、深い洞察、作曲家の想いや経緯、オーケストラの特徴、奏者のスキルなどを深く、そして広く考え抜いていることが分かります。そして猛烈な記憶力です。

ステージ上で指揮棒を振るのは、もはやどうでもいい、練習やリハーサルでオーケストラに仕込んでおくことが重要で、ステージ上の指揮はもはやそんなに重要ではないのかも、という趣旨の発言もされていました。

村上氏と実際の演奏をレコードで聞きながら、ホルンやバイオリンの演奏者のことや、その録音の時の出来事、劇場の特性や録音機材の事など、事細かに記憶されていました。

何かの成果を出すためには、のめり込む事、何か以外にも興味関心を持って楽しむ事が大事だと気づかせていただきました。

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