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2024-05-28

読んだ本(2024-#41):熱帯

 [No.3454]

#41「熱帯」森見 登美彦

アリババと40人の盗賊、シンドバッドの冒険、などのおとぎ話の素といえる、アラビアンナイト:千夜一夜物語ですが、wikipediaを見ていろいろ知りました。

ーーーーーwikipediaより

昔々、サーサーン朝シャフリヤールという王がいた(Shahryār:物語上の架空人物)。王はインドと中国も治めていた。ある時、王は妻の不貞を知り、妻と相手の奴隷たちの首をはねて殺した。 女性不信となった王は、街の生娘を宮殿に呼び一夜を過ごしては、翌朝にはその首をはねた。こうして街から次々と若い女性がいなくなっていった。王の側近の大臣は困り果てたが、その大臣の娘シェヘラザード(シャハラザード、شهرزاد)が名乗り出て、これを止めるため、王の元に嫁ぎ妻となった。 明日をも知れぬ中、シェヘラザードは命がけで、毎夜、王に興味深い物語を語る。話が佳境に入った所で「続きは、また明日」そして「明日はもっと面白い」と話を打ち切る。シェヘラザードの傍らには、妹のドゥンヤザード英語版がいて、横から「話がおもしろい」と盛り上げ役を演じる。姉妹による作戦によって、王は話の続きが聞きたくてシェヘラザードを生かし続けて1000日。ついにシェヘラザードは王の悪習を止めさせる。

以上が、物語の大枠であるが、王の悪習を止めさせたとする結末は、後世のヨーロッパ人が追加したものである。1704年に「千一夜」を初めてヨーロッパに紹介したアントワーヌ・ガランが翻訳に使用したアラビア語写本には結末はない。282夜の話があるだけである[

ーーーーー以上、wikipediaより

物語が終わることはなく、1,000も話があるわけでもなく、その後トルコやフランスに渡る時に、いろんな話が継ぎ足されていった、という経緯もあるようです。決して終わることがない物語です。

森見登美彦作品が好きですが、この本はなかなか読み進めるのが難解でした。そんなことあるわけないでしょ、とついつい思うような場所や情景の展開も、読んでいくうちに拙者自身もそんな場所や情景にいるような錯覚を楽しみますが、この作品は難しかった。

誰も最後まで読んだことがない本「熱帯」。なんとなく記憶を持つ者はいるものの、いつの間にか所有がなくなったり、誰かの手に渡ったり、研究者と触れ合ったり、異次元?過去?に行き交ったり、登場人物(私)の存在を見失いそうになったり、作者のワールドが楽しめませんでした。

自分が見ている物や重ねてきた経験も、何かとのつながりと感じたり、実際の時間も拙者と誰かの時間が同時並行で発生していて、どこかで交わったり、そして離れたり、再会するまでに過ごした時間や経験の密度も異なっている、とか考えると、自分の人生自体が終わることのない物語、誰かとどこかでつながったり別れたりして、場面や情景も変わる誰も最後まで読んだことがない「熱帯」そのもの、とも感じました。

学校入学して知り合って、サークルとかゼミとかで仲良く過ごし、その後別れて疎遠になったり、急に再会を喜んで付き合いが再開したり、会わなかった時のお互いの出来事を知って驚いたり。

今になって、親から昔話を聞いて知ったり、そんなことの連続です。最近も、父から40年前の話を聞きましたが、父はこれまで言ったつもりだったこと、いろんな理由で言わなかったこと、いろいろのようです。

最近会えていない友人、これまでお世話になった先輩、後輩や上司とお会いして、近況やこれからのことを話してみたり、聞いてみたくなりました。

読後すぐは??な感じなのですが、こうやって感想を書いてみると、じんわりとこんな気持ちになっている拙者自身に気が付きました。

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