[No.1661]
#4「子育ての経済学」ジョシュア・ガンズ
amazonの書評コメントにもありましたが、子育ての経済学というよりも
「経済学者の子育て」の方が内容はフィットします。
拙者が学生として学んだ経済学は、
経済的に自己利益のために合理的な行動をとる経済人(ホモ・エコノミクス)を
前提とした発想の内容が多かったですが、著者は、赤ちゃんや子供こそ
自己利益に正直な行動をとることを、経済学を学ぶ学生に、経済学の用語や定義の
比喩としていろいろ自分の子育ての経験を交えて話した内容なんだと思います。
こんな工夫をしてくれる先生、増えると講義も面白くなるはずだな。
堅苦しい比喩よりも、身近な面白い話で解説してくれれば、
学生としては興味を持ちやすくなるだろうと思います。
MBAの学生向けの授業だったようですが、この内容は本当にウンウンとうなづけるのは、
子育ての経験を持つ者ですね。
夜泣きの時は大変、聞いた人はそりゃそーだろうね、大変だねと言ってくれるでしょうが、
抱っこに疲れ眠たいのに、なかなか寝付いてくれない腕の中の我が子を眺めた時の
やめたくてもやめられない、疲れているけど休めない、という切迫感と、
でもやっぱり愛おしいという気持ちの入り混じった自分の感情の矛盾は、
拙者にとっても唯一無二の経験でありました。
著者は文中で、子供のわがままぶり、悪知恵の発揮など子供のネガティブな要素を
いろいろ思い出しながら書いていますが、
あとがきを見ると、お子さん達への深い愛情が溢れていることに気がつきます。
当たり前の事ですが、
・子育てに王道なく、
・子供も一人の人間であり、親の思うようになる訳ではなく
・子供だから分かっていない、のではなく、子供だからこそ気づいている
を忘れないで、全力で子供と向き合うことが必要です。
愛情もタフさも全部が必要です。
優しくあろうとすれば、強くなければならない、
強くあろうとしれば、優しくなければならない、ことに通じてますね。
難しいっすねぇ。
2 件のコメント:
経済学者の子育て、というタイトルだと、
売れ行きは10分の1以下でしょうね。
週末しか子育て出来ておりませんが、
そんな私が気を付けていること、一点。
気合いを入れ過ぎないように、ということ。
配偶者ともども。
気合いの度合いは、
期待の度合いと同じになる気がして。
車のブレーキを踏んでいて、
止まる直前に、少しフワッと戻す、
そんなイメージを勝手に。
しんしん様>気合いを入れすぎない、はなるほどです。親がどんなに力んでも、子供本人が楽しんだり、納得しなければ、長期的には子供の為にもならないし、いい成果もないのかもしれません。
真剣な姿勢、品のある言動、ユーモアのある楽しさ、親のそんな姿を見てもらえれば、きっと子供は何かを感じ、考え、行動してくれるんだと思うんです。
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