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2017-01-05

観た映画(2017-#1):黄金のアデーレ 名画の帰還

[No.2756]

いきなり自宅に不遜で暴力的な複数人が押しかけ、
家族に乱暴をしたり、家財を奪ったり、家に居座る、
そんなことは絶対に許さないし、徹底的に戦うし、
警察とか呼んで助けてもらわないといけません。

でも警察を呼ぶことができない、
または警察自体がそんな行為を繰り返すようであれば、
この危機を回避することはとても難しいです。

第二次世界大戦の戦時下のオーストリアの話。
ウィーンの銀行家で実業家のフェルディナント・ブロッホ=バウアーの妻
アデーレをモデルに、グスタフ・クリムトが描いた肖像画。

ナチスがオーストリアを占領下にし、
ユダヤ人実業家や市民から収奪する、
国外移動を禁止し、その後強制収用所への移動を・・・。

アデーレの姪、戦時下でアメリカに脱出した82歳のマリア・アルトマンが
オーストリア政府を相手に裁判を起こした。
叔母アデーレの肖像画「黄金のアデーレ」の返還要求。
「黄金のアデーレ」は、オーストリアのモナリザ、とも呼ばれていた名画。
オーストリアに留めたいと画策する政府や美術関係者、
ナチスの過ちを正す、絵画の所有権と適切な相続を実現し、
絵画、絵画のあった家族の風景や思い出を取り戻そうとする主人公との戦い。

アメリカの大手弁護士事務所が手を出さない、勝てないと思われる裁判を
真っ向から証拠をかき集めて、
オーストリアではなくアメリカで裁判を起こすことに成功し、
オーストリアで美術品返還の調査委員会を実現。

政府や行政を相手に裁判で戦うのは大変、
正義は降ってくるものではなく、掴もうとしないと掴めない正義もある、
戦争することが合理的であるというあらゆる理由があったとしても、
人間の知恵と愛情で回避する方法を探り続けて戦争を起こさないことが大事、
そんなことを痛感した映画でした。

正月早々、いい映画を観た、気持ちになれております。

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