#10「法隆寺を支えた木」 西岡常一、小原二郎
寺社大工の西岡氏と、科学者の小原氏のコンビネーションが実現させた驚異の著書です。
創建1300年を迎える法隆寺、維持するには不可欠の寺社大工の生活の大変さは予想もしませんでした。しかし、今の法隆寺があるのは、間違いなく西岡氏のお陰であります。
古来から、木材の特性に応じた建築や造形がなされてきたことに、ただ驚きます。西岡氏は、実際に法隆寺の解体や復元に携わり、自分の目でも古来からの技術、設計や造形の妙を肌で感じます。どのような木材であれば、永らえるか。
西岡氏の経験は、小原氏の科学的分析によって、木材の細胞レベルでの特徴や性能に迫ります。生きた気は樹液を通すのに、伐採されて乾燥した木材が水を透過させないのはなぜか、この本によって、拙者はよく理解できました。
西岡氏のお話は、聞いていて職人の言葉だったり、人生訓のようだったりします。適材適所、人間万事塞翁が馬、焦らずに、妬まずに、コツコツと、少しずつ、の実践が、大きな成果を生み出したり、素晴らしいゴールに到達できる、と感じさせてくれます。
何かをきっかけで知った、チビ子の紹介で読んでみました。
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