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2022-01-27

読んだ本(2022-#6): サイバーグレートゲーム 政治・経済・技術とデータをめぐる地政学

 

[No.2940]

#6「サイバーグレートゲーム」 土屋 大洋

コンピュータの乗っ取りや、暴走が核戦争を引き起こすかも、という映画「ウォー・ゲーム」は1983年の作品です。

28年後の今は、都市部のあらゆる場所で持ち歩くスマホでインターネット接続が可能になり、いつでもどこでも世界中の誰かや何かと繋がることもできます。つまり、どこにいても、誰かにつけ回される可能性もあるわけです。

インターネットの利用は、とてもプライベートな物も含んでいますが、どこまでプライバシーが守られているかというと、スノーデン事件で明らかになったように、あらゆる手段で覗かれている可能性は否定できませんね。

仕事で情報セキュリティというと、会社の情報資産やお客様情報を守る、と答えると正解になりますが、実際にはそれでは物足りないでしょう。

5年くらい前に、アメリカのサイバーセキュリティの専門家を訪問したことがあります。とても印象的だったのは、「国や家族の命を守るために情報セキュリティに取り組む」という言葉でした。日本のセキュリティ担当者から、こんな言葉は聞いたことはありませんでしたが、「国や家族の命が守れないで、会社の情報資産が守れるはずがないでしょ」という専門家のセリフに、とても強く納得したことを思い出します。

平和憲法と呼ばれる、専守防衛の想いや願いは簡単に手放したくないですし、手放さないことが先人の辛苦に報いることとも思います。でも、知らない間にネットワークに忍び込まれて、情報や資産をかすめ取られたり、公共インフラを止められたりする脅威や攻撃から、どう守るかは、我が国も我が事として、知恵や力をつけなければ、攻撃者にやられてしまうな、と危機感を持ちます。

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