[No.2951]
#10「自社倉庫管理術」山田 孝治
今、倉庫の業務についていろいろ考えており、いい本がないか探していました。倉庫、物流、ロジスティックスとなると費用対効果で検討することが可能である側面と、入荷や出荷、在庫棚卸などのミスが、まあいいか、で看過できない事態になることが、現場や経営陣にも分かりにくい、という特有の課題があることがわかりました。
著者は、30年現場を見続けてきており、大規模な倉庫のマテハン(マテリアルハンドリング:資材移送)機器、ロボットや倉庫管理システムなどの自動化の意義と限界についてもよくご存知で、また小規模倉庫の改善実績も豊富にお持ちなことがよく分かります。
- 誤出荷などのミスの原因のほとんどはヒューマンエラー
- ヒューマンエラーは起こってもしょうがない、ではない
- ヒューマンエラーの原因は、作業員の過信や思い込み
- 作業員に正しい作業手順やルールを徹底する
- 作業を考えながらやる、ではダメ
- 整理整頓などの5Sができなければ、倉庫もビジネスも成長しない
- 卸販売(B to B)と小売販売(B to C)の倉庫管理術は全く異なる
物流コンサルタントの良し悪し、物流自体やビジネスにおける物流の重要性が経営陣に理解されづらいこと、ロボットやシステムによる自動化が倉庫の課題解決を実現するという大きな誤解などについて、的確に忌憚なく表現されていることも、読んでいて心地いいです。倉庫を見れば、不動在庫、整理整頓や作業員の挨拶や表情などから、経営課題が見えてくるのは、納得感があります。
製品を開発したり、制作したり、販売することが売り上げや価値を生み出すようだと想像しやすいですけど、ビジネスで勝つか負けるかを真剣に考える場合に、物流(ロジスティックス)をないがしろにしたり、何とかなるだろと思えば、勝てそうにありません。
今度おそらく、拙者は誤出荷を防ぐために、という内容で今後の取り組みを決めたり、議論したりする必要がありそうです。あまり業務経験のない分野ではありますが、ぜひ現場も見学させてもらって、実際の課題解決に寄与できるようになりたいと思いました。
ぜひ、著者にいろいろお話をお聞きしたいなぁ、と思います。
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