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2022-02-20

読んだ本(2022-#13):資本主義の再構築

[No.2959]

株主に利益を還元することが、株式会社の役割であり責任、と聞いたことは何度もあるし、社会の授業でも聞きましたが、そんな訳ないでしょって思い続けていました。

株主を、株式保有者と株式運用者と分けて考えれば、拙者のモヤモヤじゃクリアになります。

株式の売買で利益を上げようとする株式運用者ではなく、株式会社の中長期的な経営を含めて関与しようとする株式保有者のために経営努力を怠らない、またお客様やお取引会社様の信頼に応える、期待を超える、とあればなお良しですね。

短期的に収益を上げることに集中するのではなく、ESGやSDGsなどの地球環境や、全人類を視野に入れた企業の存在価値や影響力を事業目標や経営指標に盛り込むことが、結果的に企業の成長やビジネスの成功にもつながる、という示唆や実例に富んでいます。

自社で利益を計上するだけでなく、サプライチェーンの先端である仕入れ先の人々の生活に想いを馳せたり、消費された後の商品の行く先を案じたりすることが、実際に株主価値を向上させたり、環境問題や社会課題を解決に向かわせることもできる、そんな可能性があります。

著者は、長い間、ウォール・ストリート、シリコンバレー、シティの世界的大企業の面々からは、夢想家のように感じられていたかもしれません。短期的利益の拡大こそ、最優先の経営課題としているエグゼクティブには、鼻で笑われていたかもしれませんが、今や著者の指摘する視点を持たないエグゼクティブこそが、尊敬されない経営者になっているような気がします。

実は、今拙者が取り組んでいる仕事の一つは、自社のためだけではなく、関連するビジネスパートナーに寄与する、を真っ向から捉えたプロジェクトです。関連するビジネスパートナーに我々の気持ちが届くように、みなさんのビジネスや生活に寄与できるように考えて、頑張ることが価値がある、と思える嬉しい本との出会いとなりました。

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